わかりやすい図解の作り方3つのコツ【チラシをパワポで作るコツ】

この記事の対象となる方
この記事は、社内でチラシや説明資料を作成している販促担当、商品担当、社内レビューを担当する部署の方向けです。パワーポイントを使って、簡単にできるチラシデザインのコツをまとめました。
企業が作るチラシ・文書の作成支援を行うダンクでは、これまでさまざまな図解を見てきまた。
文章だけの説明では限界があるため、図解を活用する企業は多いです。
しかしながら、わかりやすい、見やすい図解を作れている企業はそう多くありません。

これどうやって見るんだろう。流れがわからないな…
内容が複雑であればあるほど、こんな感想をいだくことがよくあります。
図解は直観的にパッと見てすぐに理解できないと、なかなか効果を発揮しません。
この記事では、パワーポイントで作る図解のコツをまとめました。
(文中の事例もパワポで作成しています)
難しいことは書いてません。普段の図解作りに、ぜひ取り入れてみてください。
<対象となる制作物>
- キャンペーン告知やセミナー集客などのチラシ、フライヤー
- 手続き・操作手順や商品・サービスを解説するユーザー向け説明資料
わかりやすい図解作りのコツ
ひとくちに図解と言っても、さまざまな型があります。
図にしたい内容によって、どの図が最適なのかも変わってきます。
本記事で対象としているチラシや説明資料で使われる図解は、基本的に以下の2つです。
- 手続き・操作手順を示すステップ型
主に書面やアプリでの入会手続き・契約手続きなどを説明する図解 - 運用の流れ・フローを示すフローチャート型
主に契約までの流れやユーザーと企業の相関関係を示す図解
本記事では、こういった図解に特化して図解の作り方を解説します。
わかりやすい図解作りのコツは以下の3つ。
- 視線の流れを意識する
- 要素をグループ化する
- 形・色をシンプルにする
図解のBefore/Afterを交えて、ひとつずつ解説します。
視線の流れを意識する
図解で最も重要なのが、読者の視線の流れを意識することです。
読者の目線は、基本的に「左→右」または「上→下」に流れます。


これが基本の流れです。
自分でチラシや雑誌を見るときの視線の流れを思い出してみてください。
この流れで目線が動いていないでしょうか。
ですから、「左→右」または「上→下」の流れから逸脱すると読者に違和感を与えます。
×Before

企業の歴史を時系列でまとめたものですが、この流れ違和感ありませんか?
見慣れない視線の流れの例

「左→右」「上→下」の流れを意識して作るとこうなります。
〇After

「上→下」の視線の流れ

違和感なく図解が理解でると思います。
まずは、「左→右」または「上→下」で図にできないか検討しましょう。
あまり見慣れない視線の流れは極力避けた方が無難です。
目線の軸を決める
とはいえ、どんな図解でも「左→右」「上→下」に収まるかというと、そうもいきません。
内容によっては、基本の流れに沿わないケースもあります。
そんなときは、読者の視線の軸を決めてあげましょう。
「この図解の主役はここ!」と主張してあげることです。
例えば、ふるさと納税を説明する図解。どこから見ていいかわかりますか?
×Before

この図解では主役(視線の軸)が誰なのかわかりません。
見る軸によって主役が異なるためです。
主役が不明確

主役を誰にするかで、見るスタート地点が異なってきます。
例えば、
❶自治体が主役→左上または左下からスタート
❷寄付者が主役→右下からスタート
まずは主役が誰なのかを明確にしてあげましょう。
このチラシ(図解)を読むのは、基本的にユーザー(寄付者)のはずです。
寄付者が主役であれば図解はこうなります。
〇After

寄付者を中心に配置して目立たせているので、主役(視線の軸)が誰なのか見てすぐに理解できますよね。
「左→右」「上→下」に図解できないときは、主役は誰か(何か)、どこを中心に見て欲しいのかを明確にしましょう。
要素をグループ化する
文章もデザインも「グループ化」が大事。本ブログでは、さまざまな記事でそう書いてきました。
例外なく、図解もグループ化が大事です。
同じ階層・レベルの情報は、できるだけ同じグループでまとめます。
いくらきれいに作っても、うまく情報を取り込めない図解では意味がありません。
例えば、次のような図解。
×Before

一見まとまって見えますが、同じグループでまとめることができます。
グループ化ができていない

構成する要素が3つにバラけてしまっています。
❶3つのステップのテキスト説明
❷ ❸の補足説明
❸3つのステップのスクリーンショット
難しく考えず、3つのステップごとに要素をグループ化してあげましょう。
〇After

これであればステップごとに何をすればいいのかすぐに理解できます。
図解はさまざまな要素で構成されています。
テキスト・注釈・写真・イラスト・アイコン…
常に同じグループでまとめることができないか意識しましょう。
グループ化の階層はひとつとは限らない
グループ化の階層はひとつとは限りません。
次の例を見てください。
×Before

一見、「お客さまからの要望」と「改善を行いました」でグループ化されているように見えます。
ですが、内容をさらに読み込んでみましょう。
グループの階層はさらに深い

「お客さまからの要望」に対応する形で「改善を行いました」が書かれていることがわかります。
階層を広げて、この関係性もグループ化してあげましょう。
〇After

それぞれの要望に対して改善策が用意されていることを、すぐに理解できますよね。
図解を作成する前に、情報をどう組み合わせると理解しやすいか、読者目線で整理してみてください。
形・色をシンプルにする
図解は、テキストでは表現しきれない内容を図示したものですから、基本的に複雑な内容のものが多いです。
ですから、図解の要素(図形)ひとつひとつはシンプルにした方が見やすくなります。
複雑な図形を使ってしまうと、作り手側の意図とは異なる捉え方をされる恐れもあります。
図形をシンプルにする
図解で使用する図形は、次のことに気をつけましょう。
- 使用する図の形は統一する
- 並べ方に一貫性を持たせる
- 図形の見た目をシンプルにする
とにかくシンプルな図形を、規則的に使うことが重要です。
事例で解説します。
×Before

図形の使い方に注目すると、次のような問題があります。
図形をシンプルに使えていない

- 四角と丸の図形が混在している
- 縦横の並びに規則性がない
- 図形に枠線がついていて悪目立ちしている
これらの問題を解消するだけで見やすい図解になります。
〇After

だいぶシンプルな図解になりました。
さらに見やすくするためにおススメしているのが、「四角の図形を配置する」です。
たいていの図解は、四角の図形で収まります。
〇After

四角の図形を並べたり、重ねたり、白マドにしたり、上下左右を均等に配置すると見やすい図解になります。
図形の使い方に迷ったら試してみてください。
色使いに意味を持たせる
図形同様、色の使い方もシンプルにした方がわかりやすい図解になります。
ポイントは、使う色に意味を持たせてあげることです。
×Before

図解としてまとまっていますが、色使いが自由すぎます。
色に意味を持たせると、さらにわかりやすくなります。
〇After

以下のような意味を色に持たせました。
- 主役の寄付者を色で立たす(脇役はグレーで色を抑える)
- 寄付者が得るメリットの矢印だけオレンジを配色
- 寄付者が行うアクション(寄付と確定申告)の矢印はグレーで抑える
関係性がひと目でわかるようになったと思います。
図解を構成する各要素の意味を理解して、色に意味を持たせてあげましょう。
アイコンを使う
ここまでBefore/Afterで解説してきたサンプルには、何かしらのアイコン(またはイラスト)を使用しています。
アイコンをそえることで、直観的に理解しやすくなるので図解には効果的です。
積極的にアイコンを取り入れて図解に組み込みましょう。
アイコンのフリー素材サイト
無料でアイコンが使える、おススメのサイトを2つ紹介します。
シルエットAC
日本最大級のシルエット素材サイト。
シンプルなアイコンから細かいデザインの物まで、数万点以上の素材をダウンロードすることができます。
Icooon-mono
アイコン素材を集めたサイト。
6000点以上のクオリティの高いアイコンが揃っています。サイズや色の指定も可能です。
その他にもフリー素材を使えるサイトはさまざまあります。
自分が作る図解に合ったアイコンを探してみてください。
まとめ
図解の作り方を解説しました。コツは以下の3つ。
- 視線の流れを意識する
- 要素をグループ化する
- 形・色をシンプルにする
ダンクの経験上、図解がわかりづらくなる原因は、このうちのどれかができていないケースです。
自身で図解を作成する際は、この3つのポイントに注意して取り組んでみてください。
ダンクでは、企業が発信する情報を「正しく・わかりやすく」するお手伝いをしています。
チラシやビジネス文書、販促ツールの作成でお困りの方は、お気軽にダンクにご相談ください。
\「わかりやすい」制作物を作りたい方へ/
この記事を書いた人

- 伝わる編集セミナー講師
- 1997年株式会社ダンク入社。
チラシやパンフレットの制作ディレクション業務を担当。現在は伝わる編集・デザインを追究している。
2018年からはやさしい日本語にも力を入れ、各所で登壇している。
・都庁主催『やさ日フォーラム』デザイン×やさしい日本語の手法を紹介
・子供政策連携室 編集・検討委員会委員(東京都)
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