文章を読みやすくする文字組みレイアウトのコツ【パワポで作るチラシ・文書】

この記事の対象となる方
この記事は、パワーポイントやワードを使って、簡単にできるチラシ・文書のデザインのコツをまとめたものです。自分でチラシや文書を作成している販促担当、商品担当、社内レビュー担当の方向けです。
文章をどう読みやすくレイアウトするかはデザインの基本と言えます。

なんかこの文章読みづらいな…
そう思ったら、文章の組み方(文字組みレイアウト)に問題がないかチェックしてみてください。
ダンクでは企業が作成するチラシや文書の改善支援を行っていますが、文字組みを軽視する場面をよく見かけます。
この記事ではパワポやワードでチラシ・文書を作成する方向けに、簡単にできる文字組みレイアウトのコツを解説しています。
細かな設定が必要なので面倒に感じるかもしれませんが、ちょっと手間をかけるだけで文章の読みやすさは大きく変わります。
本記事ではパワポの設定方法も紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
<対象となる制作物>
- 商品説明やイベント集客などのチラシ、フライヤー
- 社内外に向けた案内文書、通知文書などの各種文書
文字組みレイアウトのコツ
読みやすい文字組みレイアウトのコツを、これまでのダンクの経験値を踏まえて以下にまとめました。
- 見やすさ(書体とフォント)
- 読みやすさ(字間と行間)
- 理解しやすさ(行長と段落)
- 箇条書きのレイアウト
ひとつずつ解説していきます。
デザインレイアウトのコツを以下の記事にまとめました。合わせて参考にしてください。
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見やすさ(書体とフォント)
みなさんが使っているMicrosoftOfficeには、明朝体、ゴシック体、行書体、ポップ体など、さまざまな書体が登録されています。
(字形の分類を書体、書体ごとに個別に開発された製品をフォントと言います)
それぞれの書体には特徴があり、シーンに合わせて選ぶのが基本ですが、種類が多すぎてどれを選んでいいかわかりませんよね。
まずは、明朝体かゴシック体のどちらかを選びましょう。
本記事で対象としているビジネス向けの硬いチラシや文書の場合は、明朝体かゴシック体で十分です。
特性をまとめると以下のようになります。
明朝体 | ・可読性が高く読みやすい、フォーマルな印象を与える ・長文で文章を読ませたいとき、高級感を出したいときなどに使用 |
ゴシック体 | ・視認性が高く、シンプルで目立つ ・タイトルや見出し、強調箇所などに使用 |
ダンクがチラシや文書で使っているのは、基本的にゴシック体です。
チラシや文書の場合、長文を扱うケースは少なく、タイトルや見出しはできるだけ目立たせたいのでゴシック体の方が向いています。
A4サイズ表裏程度であれば、ゴシック体で統一しても違和感はありません。
(もちろん内容によって変わりますが)
MicrosoftOffice搭載のフォント
書体を決めたらフォントを選びます。
Microsoftofficeに搭載されているフォントの中で、よく使う明朝体とゴシック体のフォントが以下です。
明朝体 | 游明朝/MS明朝/BIZ UD明朝 |
ゴシック体 | 游ゴシック/MSゴシック/BIZ UDゴシック/メイリオ |
おススメはモリサワが開発したBIZ UDフォント。
BIZ UDフォントは、「分かりやすい」「読みやすい」「読み間違えにくい」をコンセプトに、検証の結果開発されたUD(ユニバーサルデザイン)フォントです。
そのため、チラシや文書には最適と言えます。
フォントはこだわりだすと奥が深いです。
もっと深く知りたい方は、以下のサイトが参考になります。
参考 |『伝わるデザイン 書体の使い分け』
チラシ・文書は明朝体かゴシック体が基本。
おススメはBIZ UDフォント。MicrosoftOfficeに標準搭載されています。
読みやすさ(字間と行間)
読みやすい文字組みは、字と行の『間』が適切に保たれています。
逆に字と行の『間』が詰まりすぎると、窮屈感があり読みづらくなります。
字間と行間の調整で読みやすくしましょう。
字間と行間のバランスで、読みやすさが改善します。
詰めすぎない、空きすぎないで文字組みをレイアウトしましょう。
理解しやすさ(行長と段落)
字間と行間が調整できても、文章にメリハリがないと読者はストレスを感じます。
ストレスがかかる文章では、なかなか内容を理解してもらえません。
読むストレスを軽減するのが、最適な行長と段落です。
行長は30文字(最大でも40文字)程度
長々と続く文章は、目で追う範囲が広いので読むのにストレスを感じます。
一行が長すぎる場合は、2段組みにするなどのレイアウトの工夫で、行長を最適に保ちましょう。
ストレスなく読める一行の目安は、30文字(最大でも40文字)程度と言われています。
段落と見出しはセット
意味のまとまりに段落がない文章も、一息つくタイミングを見つけられず、ストレスの原因になります。
意味のかたまりを意識して段落を作ると読みやすくなります。
意味のまとまりが視覚的にわかりやすくなり、読者が一息つくタイミングを作れます。
ただし、これでも不十分。見出しを立てると、さらに理解しやすくなります。
いくら段落を作っても、長文の時点でなかなか読んでもらえません。
まずは、見出しで概要を掴んでもらうことを意識しましょう。
概要を知ることで、本文を読んでもらえる可能性も高まります。
見出しをつけるコツは以下の記事を参考にしてください。
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読むうえで、ストレスのない行長(30字程度)を意識します。
段落は意味のまとまりで区切って、見出しで段落を強調しましょう。
箇条書きのレイアウト
箇条書きは文章を簡潔にして、内容をわかりやすくする便利な手法です。
情報が構造化されるので、見ですぐにポイントを掴めます。
特にビジネス文書などでは、みなさんもよく使っているのではないでしょうか。
よく使う文字組みだけに、その組み方には気を使いましょう。
ひと手間加えるだけで、読みやすさが変わります。
一見、Beforeはまとまっていて読みやすそうですが、これは箇条書きを並べただけです。
まずは、インデントを揃えましょう。
Afterは行頭の「●」が強調され、箇条書きを認識しやすくなりました。
(【shift+enter】で改行するとインデントが揃います)
さらに、ひとつひとつの箇条書きにまとまりを作る(行間を空ける)と、グループ化されて、もっと読みやすくなります。
情報のまとまりが明確になるので、理解しやすい箇条書きになります。
箇条書きは便利な文字組みで頻繁に使用します。それだけに、見やすさを意識して改良しましょう。
まとめ
よく使う文字組みのレイアウトルールを4つ紹介しました。
- 見やすさ(書体とフォント)
- 読みやすさ(字間と行間)
- 理解しやすさ(行長と段落)
- 箇条書きのレイアウト
企業でチラシや文書を作成している場合は、個人で取り組むのではなく、社内の制作ルールとして取り組むことをおススメします。
同じ会社から送るチラシや文書は、同一フォーマットで送った方が統一感があり読みやすくなりますよね。
読みやすいチラシ・文書の作成に、ぜひ役立ててみてください。
ダンクでは、きちんと情報が伝わることにこだわって、お客さまのわかりやすい情報発信をお手伝いしています。
ビジネス文書や販促ツールの制作でお困りの方は、お気軽にダンクにご相談ください。
\「わかりやすい」制作物を作りたい方へ/
この記事を書いた人

- 伝わる編集セミナー講師
- 1997年株式会社ダンク入社。
チラシやパンフレットの制作ディレクション業務を担当。現在は伝わる編集・デザインを追究している。
2018年からはやさしい日本語にも力を入れ、各所で登壇している。
・都庁主催『やさ日フォーラム』デザイン×やさしい日本語の手法を紹介
・子供政策連携室 編集・検討委員会委員(東京都)
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