【文書作成の基本】わかりやすいビジネス文書をワードで作成するコツ
この記事の対象
この記事は、社内外に向けたビジネス文書を自分で作成している販促・企画担当、レビュー担当の方向けに、文章作成のポイントを解説したものです。
ビジネス文書の作り方ってちゃんと習ったことないな…
みなさん、意外とそうではありませんか?
ダンクでは企業の文書作成支援を行っていますが、ビジネス文書の作り方を知らない方が結構います。
「自部署内で過去に作ったデータを流用して作っています」という方がほとんどです。
確かに過去のデータを引っ張りだして作れば失敗はないかも知れませんが、わかりやすいかと言えば、そうでもありません。
そもそも過去のデータがわかりづらかった場合、その真似をしてもわかりづらい文書が出来上がるだけです。
この記事では、社外向けを想定したビジネス文書の作り方を、「わかりやすさ」に特化して紹介します。
「わかりやすい文書やチラシを作りたい」とお悩みの企業さま向けに、制作の代行から貴社スタッフのスキル向上支援まで、ダンクが幅広くサポートしています。まずはサービス資料を確認してみてください。
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ビジネス文書の構成
まずはビジネス文書の基本構成を把握しておきましょう。
ビジネス文書に絶対のルールはありませんが、ある一定の型はあります。
受け取る側も、型通りに作成してある方が見慣れているので理解しやすい、というメリットがあります。
各構成要素を解説します。
名称 | 掲載内容 |
---|---|
① 発信日 | 文書の発信日を記載します。西暦・和暦どちらもありますが、ビジネスシーンでは和暦が一般的です。 文書番号を採番している場合は、発信日の上に記載します。 |
② 宛名 | 受け取る側の氏名を記載します。 (法人宛てであれば、会社名・部署名なども記載) |
③ 発信者 | 発信側の会社名・部署名・氏名を記載します。 (発信者の位置は、宛名よりも下に配置してください。ビジネス文書では通例となっています) |
④ 件名 (タイトル) | 文書の表題。何の文書か分かるように、端的に、かつ具体的に書きます。 |
⑤ 前文 | 導入の文章。日ごろの感謝や時候の挨拶などを述べます。 |
⑥ 主文 | 文書の本題を記載します。 |
⑦ 末文 | 最後に締めの一文を記載します。 |
⑧ 連絡先 | 連絡先は、フォーマット化しておいた方が目立ちます。 連絡したいと思った方の目に留まりやすくなるので便利です。 |
⑨ 頭語と結語 | 「拝啓」「敬具」が一般的です。 他にも「拝呈」「敬具」/「謹啓」「敬白」などがあります。 「前略」「草々」は親しい相手に使います。挨拶文を省略する場合などにも使います。 |
⑩ 記書き | 「記」と「以上」はセットにします。 内容の続きがないことを示すために「以上」を記載します。 |
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ビジネス文書のレイアウト
次に、見やすいビジネス文書にするためのレイアウトのポイントを解説します。
ビジネス文書は基本的に文字だけでレイアウトされます。
見やすさを意識しておかないと、文字ばかりの読む気のおきない文書になりかねません。
見やすいレイアウトを押さえておきましょう。
➀ヘッダー(フッター)
社外向けにヘッダーのデザインをフォーマット化しておくと便利です。
常に同じフォーマットで送付することで、読み手にフォーマットのイメージが刷り込まれます。
あっ、これは●●会社からの手紙だな
どこから来た文書なのか見てすぐにわかるようになると、読む心理的ハードルも下がります。
ヘッダーだけではなく、フッターをフォーマット化しておくのもいいでしょう。
②フォント
ゴシック体、明朝体のどちらかを使用します。
基本は視認性の高いゴシックを使用しますが、相手にとってデメリットとなるお詫び状などは、フォーマルな明朝体を使いましょう。
オススメはモリサワが開発したBIZ UDフォント。
「分かりやすい」「読みやすい」「読み間違えにくい」をコンセプトに、検証の結果開発されたUD(ユニバーサルデザイン)フォントです。
読みやすさが重要なビジネス文書には最適です。
<オススメフォント>
和文 | ゴシック:BIZ UDPゴシック/明朝:BIZ UDP明朝 |
英数字 | Segoe UI |
③文字サイズ
あまりに小さい文字では、読むのが億劫になります。
最適な文字サイズは情報量によって変わりますが、違和感なく読めるサイズが以下です。
件名(タイトル) | 16ポイント・太字 |
見出し | 11ポイント・太字 (最低10 ポイント以上) |
本文 | 11ポイント (最低10 ポイント以上) |
あくまでオススメの文字サイズです。掲載量によって文字サイズを調整してください。
④行間
読みやすさを保つには、行間が重要です。
行間が詰まりすぎていると読みづらさを感じますし、文章の多いビジネス文書では文字の塊に見えてきます。
オススメの行間設定は以下。
⑤余白
上下左右には十分な余白を設けましょう。
余白がないと窮屈な印象を与えてしまい、読むのが面倒になるかもしれません。
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タイトル(件名)のつけ方
パッと見ただけで、何の文書か理解できるようなタイトルをつけましょう。
とりあえずでタイトルを書いてしまうと、
これ、私には関係ないのかな
と思われて、そもそも読んでもらえません。
タイトルで読み手の興味・関心を引き、自分ごとだと思ってもらう必要があります。
5W2Hで考える
ダンクがオススメしているのが、5W2Hで考える方法です。
5W2Hとは、
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:誰が
- What:何を
- Why:なぜ
- How:どのように
- How much(many):いくらで(どのくらい)
この中から重要だと思う要素を、文書のタイトルに盛り込みます。
このとき、すべての要素は必要ありません。伝えなければならない重要な情報に絞ります。
例えば、ビジネス文書でよく見かけるこんなタイトル。
ダンクは企業の文書作成支援を行っていますが、『〇〇について』というタイトルは、本当によく見かけます。
間違ってはいないのですが、「ついて」は特に意味を持たないので、何を伝えようとしているのかよくわかりません。
料金を値上げするのか値下げするのか、見当がつきませんよね。
この例文を5W2Hで考えてみましょう。
- When:いつから料金変更するのか
- Where:ー(今回の内容は無関係)
- Who:誰が料金変更となるのか
- What:何が料金変更するのか
- Why:なぜ料金変更するのか
- How:ー(今回の内容は無関係)
- How much:変更後の料金はいくらか
この中から、重要な要素、つまり読者が知りたい要素に絞り込んでいきます。
まず、whereとHowは今回は関係ないので除外します。
Whyの「なぜ料金変更するのか」は、読み手が最初に知りたいことではないので除外します。
(最初に知りたいのは時期や金額のはず。Whyは本文で記載しましょう。)
また、How muchの「いくらになるのか」は、一律で金額が決まっているケースは記載した方がいいでしょう。
ですが、プランによって金額が異なるというケースでは、文字数が限られたタイトルに盛り込むのは限界があります。
(この例では、プランごとに金額が異なると仮定しました)
そうなると、残った要素は「When いつ」「Who 誰が」「What 何を」になります。
このタイトルであれば、文書の概要を掴めますよね。
このように、タイトルを考えるときは5W2Hで要素を洗い出し、必要な要素(読者が知りたい要素)に絞りこんでいきます。
本文の書き方
次に、本文を書くときのコツを解説します。
ビジネス文書では、とにかくわかりやすい文章が求められます。
ただ、難しいことではありません。
これから紹介するコツを押さえておけば、ある程度書けるようになります。
文章構成を意識する
本文を書くときは文章構成を意識しましょう。
文章構成のポイントは以下の2つです。
- 【グループ化する】情報の羅列を避ける
- 【結論先行で書く】結論を早めに登場させる
この2つができていないと、文章は理解しづらくなります。
【グループ化する】情報の羅列を避ける
グループ化とは、情報をダラダラと書くのではなく、文章内容を分解してわかりやすくする方法です。
情報をグループ化することで、わかりやすさが一段階上がります。
例えば以下のような文章。
Before
補修作業のご案内
作業時間は30分程度の予定で、お客さまの立ち合いが必須となりますが、特殊工具などは使用しない簡単な補修作業です。基本価格は 10,000円(税込)となります。作業時期は、以下の日程の中から選択できます。ご依頼の際は、補修箇所の写真を担当者へメールでお送りください。
多くの情報が、次々と流れてくるので、頭の中で整理するのに時間がかかります。
この文章を情報ごとにグループ化して、見出しをつけるとこうなります。
After
補修作業のご案内
【作業内容】特殊工具などは使用しない簡単な補修作業です。作業時間は30分程度の予定です。
【基本価格】 10,000円(税込)となります。
【作業時期】以下の日程の中から選択できます。
※お客さまが立ち合い可能な日時を選択してください。
【お願い】 ご依頼の際は、補修箇所の写真を担当者へメールでお送りください。
見出しで整理されているので、何の話をしているのか理解しやすくなりますよね。
【結論先行で書く】結論を早めに登場させる
結論先行で書くとは、そのままズバリ、結論を先に書くようにする方法です。
結論がなかなか登場しない文章は、要領を得ないので読んでいてストレスを感じます。
文章の「型」として有名なPREP法を利用すると、結論先行で書けるようになります。
- P=Point(結論)
- R=Reason(理由)
- E=Example(具体例)
- P=Point(結論)
この順番で書くことで、理解しやすい文章が書けます。
特にビジネス向けと言われていますが、実際ビジネス文書では有効です。
以下の記事で、わかりやすい文章構成のコツを詳細に書いていますので、合わせて確認してください。
あわせて読みたい
文章は短く簡潔に書く
実際に文章を書くときは簡潔に書くことを意識しましょう。
いくら文章構成を押さえても、一文がダラダラと長いと、読みづらい文章になってしまいます。
例えば、以下のような文章。
Before
ご自宅のPCやスマートフォンを使用して、ご自宅から残高照会などのサービスをご利用いただけるサービスです。
「ご自宅」「サービス」が重複していて、何だか読みづらいですよね。
重複は省いてスッキリさせましょう。
After
ご自宅のPCやスマートフォンから、残高照会などのサービスをご利用いただけます。
だいぶスッキリしました。
他にも、文章を簡潔に書くコツはいくつかあります。以下の記事にまとめていますので参考にしてください。
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わかりやすい文章を書く8つのテクニック
その他、わかりやすい文章を書く細かなテクニックがあります。
以下の8つにまとめました。
【文章をわかりやすくする8つのテクニック】
- 一文一義を意識する
- 主語と述語を対応させる
- 係り受けを近づける(主語・述語/修飾語・被修飾語を近づける)
- 結論を先に書く
- 読点でわかりやすくする
- 同じ語句を繰り返さない
- あいまいな表現をしない
- 専門用語の使い方に注意する
以下の記事で詳しく解説していますので、確認してください。
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まとめ
ビジネス文書の作成方法を解説しました。
最後に重要なポイントをひとつ。
それは、出来上がったら必ず見直しすること。
そんなことか…と思わないでください。1回の作成で納得いく文書を作れる人はそうはいません。
(文書に限らず、制作物全般に言えますが)
ダンクでは見直しを必須としています。
翌日見直してみたら、あれもこれも直したい…となって最終的にほぼやり直し、なんてことがよく起こります。
見直しをすれば文書のクオリティは必ず上がります。
この記事で紹介したことをチェック項目にしてもらうと、見直しが効果的になると思います。
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この記事の監修者
- 1998年株式会社ダンク入社。
チラシやパンフレットの校正・校閲、ディレクションを担当したのち、現在は「わかりやすさ」を追究した文書改善専門家としてコンサルタントを務める。文書作成力向上研修講師。
・テクニカルライティング 3級
・二級 知的財産管理技能士
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