見やすいデザインレイアウト3つのコツ【パワポでチラシを作るコツ】

この記事の対象

この記事は商品・サービスの販促チラシ、手続きや告知などの説明チラシを自分で作成している販促・企画担当、レビュー担当の方向けに、パワポでレイアウトするコツを解説したものです。

企業が作成するチラシや文書の改善支援を行うダンクでは、こんな声をよくいただきます。

わかりやすくデザインするのって素人には難しいですよね…

デザイナーでもない限り、デザインを学ぶ機会もないでしょうから当然と言えば当然です。

この記事では、見やすいデザインの基本となるレイアウトのコツを解説します。

といっても、人目を引くようなセンスあふれるレイアウトの手法をお伝えするわけではありません。

普段からパワポを使って、自分でチラシや説明資料を作成している方向けに、簡単にできるレイアウトのコツを紹介しています。

事例を使って解説していますので参考にしてください。

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チラシ制作の基本から知りたい方向けに、パワポでチラシを作るノウハウをひとつの記事にまとめました。合わせて読んでみてください。

【大原則】視線の流れを意識する

レイアウトのコツを紹介する前に、大原則となるのが『視線の流れ』を意識したデザインです。

この原則を知らないと、いくらレイアウトを工夫しても効果は上がりません。

読者視点に立つとわかりますが、最初に視線が行くのは左上です。そこから右や下へ流れていきます。
デザインでよく言われる、「Z」(横書き)と「N」(縦書き)のレイアウト設計です。

ZとNの視線の流れ

読者の視線に合わせて、「左から右へ」または「上から下へ」にレイアウトするのが基本です。

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見やすいレイアウト3つのコツ

見やすいレイアウトのコツは次の3つ。

  1. ラインを揃える
  2. グループでまとめる
  3. メリハリをつける

デザインの世界でよく言われる4原則(「近接」「整列」「強弱」「反復」)をベースに、ダンクの経験値を踏まえて3つに整理しました。

3つのコツを抑えれば、例えば次のような「改善前」のチラシも「改善後」のようなレイアウトにすることができます。

×改善前

〇改善後

この記事では、このサンプルの「改善前」が、どのようなステップで「改善後」に変わったのか解説していきます。

【ステップ①】ラインを揃える

まずは、縦横の配置を意識して、ラインを揃えます。

ラインを揃えることで、レイアウトに統一感と安定感が生まれます。

逆に要素の並びが不統一だと、目線が動くので見づらいレイアウトになってしまいます。

先ほどのチラシサンプルを見てみましょう。

ラインを揃える

Beforeは左揃えの開始位置に統一がないため、目線の流れが定まりません。

対してAfterは、すべての要素を左ラインに揃えたことで、すっきりしたレイアウトになっています。

このとき、できるだけ等間隔で各要素を揃えます。垂直・水平ラインが一直線になるようにしましょう。

見えないグリッド線(下のの赤線)を意識して縦横を揃えます。

見えない線(グリッド線)で揃える

ラインを揃えたチラシサンプルがこんなイメージ。

【ステップ①】ラインを揃える

【ステップ①】のポイント
見えないグリッド線を意識して、等間隔で揃えます。
垂直・水平ラインが一直線になるようにしましょう。

【ステップ②】グループでまとめる

関係のある情報は、同じグループにレイアウトします。

関係のある情報・ない情報を区別なく配置してしまうと、理解しづらくなってしまいます。

チラシサンプルで解説します。

×Before

赤枠でくくった部分は、どちらも講師の情報です。
同じ情報はグループでまとめてあげましょう。

〇After

講師情報をグループ化しました。

同様に申込方法も、グループにまとめることができます。

×Before

赤枠は電話で申し込む場合、青枠は申込書で申し込む場合の記載ですが、電話と申込書が交互に登場しています。
そのため、知りたい情報は上から順に読まないとたどり着けません。

情報をグループ化してすぐに理解できるようにしましょう。

〇After

これなら方法が2つあることを、すぐに理解できます。

レイアウトする際は、情報の共通項を見つけて関係性をすぐに理解できるようにグループ化しましょう。

グループ化したチラシサンプルがこちら。

【ステップ②】グループでまとめる

【ステップ②】のポイント
情報をグループでまとめて、関係性をすぐに理解できるように工夫しましょう。
テキストに頼らないレイアウトが理想です。

【ステップ③】メリハリをつける

メリハリは見やすいレイアウトを組むうえで、最も効果的な手法です。

メリハリをつけることで、レイアウトの見やすさは劇的に向上します。

ポイントは、「強調して見せたいところ」と「そうではないところ」を、きちんと把握すること。

チラシのどの要素を強調したいのか、どこを読者に知って欲しいのかを明確にしましょう。

やみくもにメリハリをつけても、意図と異なるチラシができ上がってしまいます。

チラシサンプルはメリハリがありません。まずはどこを強調したいのか決めます。

強調したい箇所がどこか決める

  • タイトルはチラシの顔。何のセミナーなのかタイトルを目立たせます
  • 一部と二部があることを見出しで強調します
  • 参加費や開催形式、日時は読者が最初に知りたい情報のはずです
  • 申込方法は、いわばチラシの出口の役割。目線が行くように工夫します。

4つの強調ポイントに決めました。

❶~❹を強調するためにメリハリをつけるとこうなります。

【ステップ③】メリハリをつける

一気にテイストが変わりますよね。
強調箇所が目立つようになり、見やすく改善されています。

といっても装飾を施したのは❶~❹のポイントだけです。
他の箇所は装飾していません。

強調したい箇所はどこか、読者が知りたい情報は何かを把握して、レイアウトにメリハリをつけましょう。

<メリハリの装飾方法>
メリハリの付け方(装飾の仕方)はさまざまあります。どうやって装飾していいのか悩むかと思いますが、オススメは類似のチラシを参考にすることです。

  • 社内の類似チラシを見る
  • ネットの画像検索で類似チラシを見る
  • デザイン関連の書籍を参考にする

これらの方法でベンチマークになるチラシを探してみましょう。自分が作りたいチラシのイメージに沿ったものを参考にします。
ただし、完全にコピーするのは著作権違反になる恐れがあります。気をつけてください。

長文もメリハリが大事

長文の読み物(雑誌風)の場合もメリハリを意識すると読みやすくなります。

例えば、こんなチラシ。

×Before

この文章量を、頭から順番に読む人は稀です。なかなか読んでもらえません。

各章ごとの見出しにメリハリをつけると読みやすくなります。

〇After

見出しを大きくして色で強調しました。

メリハリをつけたことで、まずは見出しに注目が行くはずです。
見出しで概要を掴んでもらうことで、本文を読んでもらえる確率も上がります。

【ステップ③】のポイント
「強調して見せたいところ」と「そうではないところ」をきちんと把握して、メリハリをつけましょう。どこを強調すればいいのか明確になり、レイアウトしやすくなります。

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装飾しすぎない

最後に「やりすぎもよくない」という注意点をお伝えします。

メリハリを意識して強調しすぎたり、グループを意識して線で何重にも囲んだり…

特に、パワポのドロップシャドウやグラデーションなどの文字調整機能はやっかいです。

そのまま使うと、安っぽくあか抜けないイメージを持たれる場合があります。
安易に使うと、かえって読みづらくなります。

×Before

文字を歪ませたり、シャドウを使ったりすると、逆にそこばかりが悪目立ちしてしまいます。

全体のバランスを崩さず強調するなら、次の装飾くらいで十分です。

〇After

シンプルに表現することで、すっきりとしたデザインになります。

強調箇所はシンプルな装飾にして、それ以外の要素を控えめに表現するとメリハリがつきます。

色を使いすぎない

強調を意識しすぎて色数が増えてしまう、ということもよく起こります。

これも、かえって読みづらくなる原因のひとつです。

×Before

お得な特典というのはわかりますが、どれも目立ちすぎていて、どこから見ていいかわかりません。

色数を制限して、注目して欲しいポイントだけに色を使います。

〇After

色数を抑えて、目立たせるポイントだけを装飾しました(キーワードをアイキャッチ化)。

基本的に、色数は4色以内に抑えてレイアウトしましょう。
その方が目立たせたいポイントがはっきりします。

ちなみに、Afterでは次のような配色ルールを設けています。

デザインに着手する前に、配色ルールを決めておくと色の使いすぎを防げます。

囲みすぎない

グループを意識しすぎて、過剰に線で囲むケースもよく見かけます。

過剰に囲むと窮屈に見えますし、きれいなデザインにはなりません。

×Before

雑然としたイメージになり、ちょっとやぼったい印象です。

〇After

地に色をひいてラインを揃えました。
すっきりしたレイアウトになり、線で囲む必要もありません。

まとめ

3つのステップで、チラシサンプルを改善してみました。
だいぶ見やすいレイアウトになったと思います。

×改善前

〇改善後

あらためて、見やすいレイアウトのコツは次の3つ。

  1. ラインを揃える
  2. グループでまとめる
  3. メリハリをつける

ここまで解説したパターンを、どれだけ応用するかでレイアウトの見やすさが決まります。

どんなに複雑な内容だとしても、コツさえ押さえておけば見やすいレイアウトが作れるようになります。

重要なのは何度も試してみることです。そこにセンスは必要ありません。

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この記事の監修者

桑島 浩
桑島 浩文書改善コンサルタント
1998年株式会社ダンク入社。
チラシやパンフレットの校正・校閲、ディレクションを担当したのち、現在は「わかりやすさ」を追究した文書改善専門家としてコンサルタントを務める。文書作成力向上研修講師。
・テクニカルライティング 3級
・二級 知的財産管理技能士

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