わかりやすい文章構成のコツは情報のグループ化【ビジネス文書の作り方】

この記事の対象となる方

この記事は、社内外に向けたビジネス文書を自分で作成している販促担当、商品担当、社内レビューを担当する部署の方に向けて、簡単にできる文章作成のコツをまとめたものです。

わかりやすさが求められるビジネス文書において、理解しづらい文章では読者に意図が伝わりません。

ダンクはこれまで、企業の文書作成をサポートしてきましたが、理解しづらい文章の多くは「情報のまとまり」に原因があります。

つまり、文章の構成に問題があるのです。

あれっ…これさっきも書いてなかった?

情報にまとまりがないと、読者はちょっとした混乱を起こします。

この記事では、文書作成支援の経験をもとに、わかりやすい文章構成のコツを例文付きで解説します。

(わかりやすい文書作成にはいくつかコツがあります。以下の記事も参考にしてみてください)

関連記事 | 例文で解説!わかりやすい文章の書き方
関連記事 | 例文で解説!文章を短くして簡潔にするコツ

文書作成マニュアルダウンロード

わかりやすい文章構成のコツはグループ化

冒頭でも書いたとおり、理解しづらい文章の特徴は、情報のまとまりのなさにあります。

情報A~情報B~情報Aのように、同じグループの情報Aが情報Bをまたいで書かれていると、頭の中で整理しづらくなります。

例えば、こんな文章。

Before

印刷費削減 ご協力のお願い
印刷時は、モノクロ印刷を基本としてください。
コピー用紙は総務で一括管理としますので、個別での発注は控えてください。
また、両面設定で印刷してください。

この文章の各文にグループ名をつけてみます。

  • (印刷時のお願い)印刷時は、モノクロ印刷を基本としてください。
  • (用紙注文時のお願い)コピー用紙は総務で一括管理としますので、個別での発注は控えてください。
  • (印刷時のお願い)また、両面設定で印刷してください。

(印刷時のお願い)が、(用紙注文時のお願い)をまたいで2回でてきます。

同じグループの情報は、できるだけひとつにまとめてあげましょう。

After

印刷費削減 ご協力のお願い
印刷時は、モノクロ・両面設定を基本としてください。
コピー用紙は総務で一括管理としますので、個別での発注は控えてください。

これでだいぶ整理しやすくなります。

思いついた順番で書いてしまうと、Beforeのような文章になってしまいます。
書いているときは、勢いでつらつらと書き連ねてしまうものです。

さらに情報量が増えると、ますます理解しづらい文章になります。

グループごとに見出しをつける

伝える情報量が多い場合は、グループ化して見出しをつけると、理解しやすくなります。

以下の例文(補修作業の案内)を読んでみてください。

Before

補修作業のご案内
作業時間は30分程度の予定で、お客さまの立ち合いが必須となりますが、特殊工具などは使用しない簡単な補修作業です。基本価格は 〇,〇〇〇円(税込)となります。作業時期は、以下の日程の中からお客さまで選択できます。ご依頼の際は、補修箇所の写真を担当者へメールでお送りください。

多くの情報が、洪水のように流れてくるので、頭の中で整理するのに時間がかかります。

この文章もグループ名をつけてあげましょう。

  • (作業時間)作業時間は30分程度の予定で、
  • (作業条件)お客さまの立ち合いが必須となりますが、
  • (作業内容)特殊工具などは使用しない簡単な補修作業です。
  • (基本価格)基本価格は 〇,〇〇〇円(税込)となります。
  • (作業時期)作業時期は、以下の日程の中からお客さまで選択できます。
  • (お客さまへのお願い)ご依頼の際は、補修箇所の写真を担当者へメールでお送りください。

似た情報はグループ化を行い、さらに見出しを立てるとこうなります。

After

補修作業のご案内
【作業内容】特殊工具などは使用しない簡単な補修作業です。作業時間は30分程度の予定です。
【基本価格】 〇,〇〇〇円(税込)となります。
【作業時期】以下の日程の中からお客さまで選択できます。
※お客さまが立ち合い可能な日時を選択してください。
【お願い】 ご依頼の際は、補修箇所の写真を担当者へメールでお送りください。

一気にわかりやすくなったと思いませんか?

情報量が多い場合は、グループ化と見出しで理解しやすくなります。

箇条書きでもグループ化がポイント

箇条書きを使う場合でも、グループ化は効果的です。

箇条書きは、文章をわかりやすくする有効な手段です。

そのため、箇条書きを使いたがる人も多いですが、「とりあえず箇条書きにしておけばわかりやすいでしょ」という態度の文書をよく見かけます。
(あくまで、ダンクの経験上ですが)

例えば、以下のような箇条書きはどうでしょうか?

Before

お申込み方法

  • お申込みはマイページまたは申請書にて承ります。
  • マイページからお申込みの場合は、すぐご利用になれます。申請書でお申込みの場合は、手続完了までに2週間程度かかります。
  • マイページでお申込みの場合は、画面の指示に従って手続きをしてください。
  • 申請書でお申込みの場合は、同封の申請書へ記入のうえ、お客さまセンターへ郵送してください。
  • 申請書受付から2週間以内に、お客さまセンターから受付完了メールをお送りします。
  • マイページでお申込みの場合は、ログイン時にIDとパスワードの入力が必要です。

一見、箇条書きでうまくまとまっているように感じます。

ですが、中身を読むと「マイページ」と「申請書」のお申込み方法が交互にでてくるので、自分の知りたい情報になかなかたどり着けません。

「申請書」でのお申込みを考えている読者にとっては、「マイページ」の申請方法は余計な情報とも言えます。

シンプルに、「マイページ」と「申請書」それぞれをグループ化してあげましょう。

After

「マイページ」でのお申込み

  • マイページからお申込みいただくと、すぐにご利用になれます
  • ログイン時にIDとパスワードの入力が必要です
  • 画面の指示に従って手続きをしてください

「申請書」でのお申込み

  • 申請書でお申込みの場合は、手続完了までに2週間程度かかります
  • 同封の申請書へ記入のうえ、お客さまセンターへ郵送してください
  • 申請書受付から2週間以内に、お客さまセンターから受付完了メールをお送りします

これなら自分の知りたい情報にダイレクトにたどり着けます。

かつ、見出しを立てたことで、一文が短くなり読みやすさも向上しています。

このように、グループ化と見出しで、わかりやすさは各段に上がります。

参考に、見出しのつけ方を別の記事で解説していますので読んでみてください。

関連記事|【チラシ・文書作りのコツ】2ステップで簡単にできる見出しの付け方

最後に見直しをする

情報のまとまりを意識して、文章をグループ化するコツを解説しました。

グループ化は、さまざまなシーンで使える情報編集の技術です。
カタログの目次やプレゼン資料、トークスクリプトなんかでも使えます。

とはいえ、グループ化を意識しながらライティングするのも、なかなか難しい作業ですよね。

そこで、ダンクがおススメしているのが、書き終わった後の読み直しです。

1回の執筆で、完璧な文章を書ける人はそういません。
グループ化を意識して読み直すことで、文章はブラッシュアップされます。

ぜひ、ライティング時に意識してみてください。

ダンクでは、きちんと情報が伝わることにこだわって、お客さまのわかりやすい情報発信をお手伝いしています。
ビジネス文書や販促ツールの制作でお困りの方は、お気軽にダンクにご相談ください。

\「わかりやすい」制作物を作りたい方へ/

この記事を書いた人

森順一郎
森順一郎伝わる編集セミナー講師
1997年株式会社ダンク入社。
チラシやパンフレットの制作ディレクション業務を担当。現在は伝わる編集・デザインを追究している。
2018年からはやさしい日本語にも力を入れ、各所で登壇している。
・都庁主催『やさ日フォーラム』デザイン×やさしい日本語の手法を紹介
・子供政策連携室 編集・検討委員会委員(東京都)

「伝わる文書作成術」を無料でダウンロード

「ユーザーにうまく情報が伝わらない…」そんな悩みを持つ方向けに、ダンクの編集ノウハウをまとめました。ノンデザイナー・ノンライターの方でも、すぐに使えるノウハウをまとめています。

以下のフォームにご入力いただき、「無料でダウンロードする」を押してください。
ダウンロードページにて、ダウンロードいただけます。

    必須所属

    任意所属名

    必須お名前

    必須メールアドレス