【ビジネス向け】わかりやすい文章構成のコツを例文で解説
この記事の対象
この記事は、社内外に向けたビジネス文書を自分で作成している販促・企画担当、レビュー担当の方向けに、わかりやすい文章構成のコツを解説したものです。
わかりやすさが求められるビジネス文書において、理解しづらい文章では読者に意図が伝わりません。
ダンクはこれまで企業の文書作成をサポートしてきましたが、その経験から言うと、理解しづらい文章は、文章の流れ・文章の構成に問題があります。
「なんか理解しづらいなぁ…」と感じたら、文章の構成に問題がないか確認してみてください。
この記事では、わかりやすい文章構成のコツを例文付きで解説します。
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わかりやすい文章構成2つのポイント
文章が理解しづらくなる原因として、以下の2つが挙げられます。
- 情報の羅列になっている
- 結論がなかなか登場しない
「文章構成」の観点から見たとき、文章を理解しづらくしている原因のほとんどがこの2つです。
ただし、これはビジネス文書に特化した文章構成のポイントです。
文章構成にはさまざまな種類があり、何のツール・媒体を作成するかで最適解は変わってきます。その点注意してください。
それでは、ひとつずつ解説していきます。
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【グループ化する】情報の羅列を避ける
ひとつ目は、情報がダラダラと書かれていて理解しづらいケースです。
情報をグループごとに分けて書いてあげると、一気にわかりやすくなります。
条件・期間などでグループ化する
例えば、以下のような文章。よく読めばわかりますが、一瞬「どういうこと?」となりませんか?
Before
補修作業のご案内
作業時間は30分程度の予定で、お客さまの立ち合いが必須となりますが、特殊工具などは使用しない簡単な補修作業です。基本価格は 10,000円(税込)となります。作業時期は、以下の日程の中から選択できます。ご依頼の際は、補修箇所の写真を担当者へメールでお送りください。
多くの情報が、次々と流れてくるので、頭の中で整理するのに時間がかかります。
この文章を情報ごとにグループで分けてみましょう。
- (作業時間)作業時間は30分程度の予定で、
- (作業条件)お客さまの立ち合いが必須となりますが、
- (作業内容)特殊工具などは使用しない簡単な補修作業です。
- (基本価格)基本価格は 10,000円(税込)となります。
- (作業時期)作業時期は、以下の日程の中から選択できます。
- (お客さまへのお願い)ご依頼の際は、補修箇所の写真を担当者へメールでお送りください。
このようにグループ分けができます。
この分類を意識してグループごとの構成にするとわかりやすくなります。
After
補修作業のご案内
【作業内容】特殊工具などは使用しない簡単な補修作業です。作業時間は30分程度の予定です。
【基本価格】 10,000円(税込)となります。
【作業時期】以下の日程の中から選択できます。
※お客さまが立ち合い可能な日時を選択してください。
【お願い】 ご依頼の際は、補修箇所の写真を担当者へメールでお送りください。
情報量が多い場合は情報を細分化してグループ化できないか、を考えてみてください。
読者に「何を伝えたいのか」「どんなグループ単位にすると理解しやすいのか」「どの順番で伝えるか」を整理していけば難しくありません。
対象別にグループ化する
別の例をもうひとつ紹介します。
Before
サービスを継続してご利用いただける場合は、2024年5月31日(金)までに以下カスタマーセンターにご連絡のうえ、会員カードに記載の会員ナンバーと有効期限をお伝えください。お申し出の連絡がない場合は、2024年6月をめどにアカウントを廃止させていただきます。お客さまに何かしらの対応をお願いすることはありません。
特に違和感がないかもしれませんが、この文章もグループ化するともっとわかりやすくなります。
この文章のポイントは、
- サービスを継続したい人
- サービスを継続しない人
で対応が変わるという点です。
対象者によって、して欲しい行動が変わります。
対象者別にグループ化すると理解するスピードが早くなります。
After
サービスを継続してご利用する場合
2024年5月31日(金)までに以下カスタマーセンターにご連絡ください。
※会員カードに記載の会員ナンバーと有効期限をお伝えください。
サービスの解約をご希望の場合
2024年6月をめどに、お客さまのアカウントを廃止させていただきます。
※お客さまに何かしらの対応をお願いすることはありません。
これであれば、「自分がどちらを希望するのか」という切り口で読めばいいので楽ですよね。
繰り返しになりますが、情報量が多い場合は、グループ化を意識して文章の構成を考えましょう。
【結論先行で書く】結論を早めに登場させる
次のポイントは「結論先行で書く」です。
結論がなかなか登場しない文章は、要領を得ないので読んでいてストレスを感じます。
できるだけ結論を先に書くことを意識しましょう。
PREP法を活用する
文章の「型」として有名なものにPREP法があります。
- P=Point(結論)
- R=Reason(理由)
- E=Example(具体例)
- P=Point(結論)
この順番で書くことで、理解しやすい文章が書けます。
特にビジネス向けと言われていますが、実際ビジネス文書では有効です。
この方法のポイントは、最初に結論から書き始める点。
お伝えしたとおり、結論を先に書くことで理解しやすさが変わります。
Before
最新情報満載の会報誌のお届けや特別割引セールなど、多数の特典を用意したプレミアムプランを、この4月から新設しました。現在契約中のプランを、利用期間10年以上の特別会員向けプレミアムプランに変更いただくことで、お得な特典が受けられます。この機会にぜひ、プレミアムプランへの変更をご検討ください。
この例文をPREP法で分解して書くとこうなります。
After
P結論:現在契約中のプランをプレミアムプランに変更いただくことで、お得な特典が受けられます。
R理由:この4月から、利用期間10年以上の特別会員向けプレミアムプランを新設しました。
E具体例:最新情報満載の会報誌のお届けや特別割引セールなど、多数の特典を用意しています。
P結論:この機会にぜひ、プレミアムプランへの変更をご検討ください。
PREP法を応用する
ただし、どのビジネス文書も必ずこの型にはまるかと言えば、そうとも言えません。
(むしろ、はまらない方が多いです)
Example(具体例)を書く必要がなかったり、Reason(理由)を省いても問題ないケースがあったりします。
ですので、PREP法をベースに、内容に合わせてアレンジして使うのをオススメしています。
まずはPREP法で考えてみる
はまらない場合は、何を伝えるのか整理してPREP法をアレンジする
ただし、「結論を最初に書く」は崩さないようにしましょう。
例文で解説
では、PREP法をアレンジする方法を例文で紹介します。
Before
前年発生した配当金に関する支払通知書は、毎年1月にお送りしていましたが、当社が2023年12月に●●株式会社へ吸収合併されたことに伴い、2023年12月1日以降に発生した配当金については、お支払日の翌月に支払通知書を発送するスケジュールに変更となりました。
なお、配当金以外の通知書は、これまで通り毎年1月に発送します。
結論が後半で登場するので、ちょっと理解しづらいですよね。
PREP法をアレンジしてみましょう。
まずは文章を分解してみます。
Point(結論):2023年12月1日以降に発生した配当金の支払通知書は発送日が変更した
Reason(理由):●●株式会社へ吸収合併されたため
この文章にはExample(具体例)は必要ないことがわかります。
また、最後にもう一度Point(結論)を書くほど長い文章でもありません。
ただし、「補足」が必要です。
補足:配当金以外の通知書は変更がない
これらの内容を整理すると、結論➡理由➡補足の順で書き変えるのが最適ということが分ります。
After
2023年12月1日以降に発生した配当金については、お支払日の翌月に支払通知書を発送するスケジュールに変更となりました。
通常、前年発生した配当金の支払通知書は、毎年1月にお送りしていましたが、当社が2023年12月に●●株式会社へ吸収合併されたことに伴い、発送スケジュールを変更しております。
なお、配当金以外の通知書は、これまで通り毎年1月に発送します。
最初に結論を書くことで、その後の理由も理解しやすくなります。
別の例文でも考えてみましょう。
お詫び文です。
Before
Webサイトでマイページを開設いただいた際、商品受取方法に関して「自宅への郵送」「郵送先指定」のいずれかを選択していただくべきところを、システム障害により郵送方法の選択画面が表示されず、お客さまの意思を確認せずに「自宅への郵送」を選択されたものとして受付しておりました。深くお詫び申し上げます。
このお詫び文も分解して考えてみましょう。
ただし、この文章のポイントはお客さまへのお詫びです。
早めにお詫びして誠意を示さなければいけません。
Point(結論):お客さまの意思を確認せずに「自宅への郵送」にしていた
Reason(理由):システム障害により郵送方法の選択画面が表示さなかった
そう考えると、結論➡お詫び➡理由の順で書くのが良さそうです。
After
Webサイトでマイページを開設いただいた際、お客さまの意思を確認せずに「自宅への郵送」を選択されたものとして受付しておりました。
深くお詫び申し上げます。
本来、商品受取方法に関しては「自宅への郵送」「郵送先指定」のいずれかを選択していただくべきところを、システム障害により郵送方法の選択画面が表示されなかったことが原因です。
これであればお詫びしている理由が、すぐに理解できます。
お詫びして許されるかどうかはサービスへの影響度合いによりますが、誠意を伝えるのであれば早めにお詫びの一文を入れた方がいいでしょう。
まとめ
わかりやすい文章構成のコツを2つお伝えしました。
- 【グループ化する】情報の羅列を避ける
- 【結論先行で書く】結論を早めに登場させる
とはいえ、いくらこのコツを意識したとしても、実際に書いているときは没頭していることが多いので、文章の構成に気づかなかったりします。
ダンクがおススメしているのは、書き終わった後の読み直しです。
1回の執筆作業で、わかりやすい文章を書ける人はそういません。
文章構成を意識して読み直すことで、文章はブラッシュアップされます。
ぜひ、読み直しを習慣づけて文章の構成をチェックしてみてください。
わかりやすい文章を書くテクニックは以下の記事でも紹介しています。合わせて参考にしてください。
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この記事の監修者
- 1998年株式会社ダンク入社。
チラシやパンフレットの校正・校閲、ディレクションを担当したのち、現在は「わかりやすさ」を追究した文書改善専門家としてコンサルタントを務める。文書作成力向上研修講師。
・テクニカルライティング 3級
・二級 知的財産管理技能士
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