読者の行動を変えるタイトルのつけ方【チラシ・文書作りのコツ】

この記事の対象となる方
この記事は、自分でチラシや文書を作成している販促担当、商品担当、社内レビューを担当する部署の方に向けて、簡単にできるチラシ・文書作りのコツをまとめたものです。
せっかく苦労して作ったチラシや文書も、読んでもらえなければ意味がありません。
多くの情報があふれる昨今では、「手にとって読んでもらう」だけでも一苦労です。
自分ごとで考えてみても、郵送されてくるチラシや文書を頭から最後まで一字一句読む、なんてことはしませんよね。
多くの人は流し見をして、興味を引くものだけを読むのではないでしょうか(実際、私はそうです)。
この流し見で興味を引かせるために重要なのがタイトル文です。
読んでもらえるかどうかは、魅力的なタイトルをつけられるかどうかで決まります。
ダンクでは、これまでチラシや文書の制作に携わってきました。
その経験をもとに、読者の興味・関心を引くタイトルのつけ方をノウハウとしてまとめています。
ですが、誰もがハッとするような凄いキャッチコピーを考えましょう、ということではありません。
チラシや文書などの販促ツールのタイトルのつけ方には、いくつかのコツ(型)があります。
この記事では、事例を交えてタイトルのコツを解説しています。
多くの人に手にとってもらえるチラシや文書作りの参考にしてください。
<対象となる制作物>
- 商品説明やイベント集客などのチラシ、フライヤー
- 社内外に向けた案内文書、通知文書などの各種文書
目的とターゲットを明確にする
タイトルを考える前に、制作しているチラシや文書は、「何の目的」で「誰に向けて」発信するものか、目的とターゲットを明確にしておきましょう。
想定している読者は、女性なのか男性なのか、20代なのか30代なのか、都心か地方か……
可能な限り目的とターゲットを明確にすることで、効果的なタイトルをつけることができます。
ただ漠然と考えても的外れなタイトルをつけてしまうこともあります。
まずは、目的とターゲットを明確にしておきましょう。
目的とターゲットを決める意味と決め方を別の記事にまとめています。参考にしてください。
【チラシ・文書作りのコツ】効果を上げる目的とターゲット層の決め方
チラシと文書のタイトルをつけるコツ(型)
この記事では、ダンクが最重要と考えるタイトルをつけるコツ(型)に絞って紹介します。
そもそも、チラシと文書ではツールを作る目的が異なりますので、それぞれのコツを紹介します。
ダンクでは、チラシと文書の目的に合わせて、以下の考え方でタイトルを作っています。
タイトルをつけるコツ
- チラシ、フライヤー
メリット・デメリットを掘り下げて考える - 案内、通知などのビジネス文書
「誰に」「いつ」「何を」の3要素で考える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【チラシ・フライヤー向け】メリット・デメリットでタイトルを考える
商品・サービスの特売やキャンペーン情報の案内を目的とするチラシの場合、読者のメリットまたはデメリットを表現することが重要です。
メリット・デメリットで表現することで、読者に自分ごと化してもらい、読者の背中を押す効果が期待できます。
具体的な言葉や数字をタイトルに盛り込む
ただ漠然とメリット・デメリットを訴求しても、興味・関心を引くことはできません。
タイトルには、できるだけ具体的な言葉や数字を盛り込むようにします。
例えば、以下のようなメリットを訴求したタイトルではどうでしょうか。

このタイトルを目にした読者はこんな感想を抱くかもしれません。

お得って、一体何がお得なんだろう
とりあえずいいや、後で読もう……
たとえ本文に具体的なメリットの記述があったとしても、「後で読もう」では読んでもらえる保障はありません。
漠然とした表現はやめて、以下のように、どんなメリットがあるのか表現します。

多少長くなりますが、タイトルを見ただけで、どんなメリットがあるのか分かるように改善しました。
タイトルでお得感を得た人は、この先も読み進めてくれるはずです。
もしタイトルが長くなりすぎる場合は、サブタイトルを使ってメリハリをつけてみてください。
繰り返しになりますが、具体的な言葉や数字で表現することが重要です。
具体的な言葉や数字で表現することで、一気に現実的な話になり、自分ごと化しやすくなります。
他にも、以下のタイトルを比較してみてください。
どちらのタイトルの方が読みたくなりますか?
『多くの方から高評価をいただいた●●を期間限定で販売!』
▼
8/20までの限定販売
4人に1人が「買ってよかった」と答えた●●を期間限定で販売!

具体的な期限と実際の数字をみせることで「お得感」「今だけ感」がでます
『健康的な生活をして長生きしよう!』
▼
喫煙者の平均寿命は、非喫煙者に比べて10年も短い!(英国医学誌2004)

デメリットを具体的にすることで、読者の不安感を刺激します
『校正歴28年の講師による広告校正セミナーを開催!』
▼
宣伝会議で講師を務める校正歴28年ダンク岡崎による広告校正セミナーを開催!

実名と実績を具体的にだすことで、特別感と権威性を表現します。
【ビジネス文書向け】3要素でタイトルを考える
社内外に向けて、情報の伝達や意志確認を目的とするビジネス文書の場合、メリット・デメリットを全面に押し出すのが難しい場合が多いです。
あからさまなメリット訴求や、不安をあおるようなデメリット表現は避けた方が無難です。
とはいえ、「手にとって読んでもらう」ためにタイトルが重要なことに変わりはありません。
ビジネス文書であっても、興味・関心を引くタイトルをつける必要があります。
そこで、ダンクがおススメしているのが、「誰に」「いつ」「何を」の3要素を意識したタイトルです。
例えば、ビジネス文書でよく見かけるのが以下のようなタイトルです。

『~~のお知らせ』や『~~について』などのタイトルをビジネス文書でよく見かけます。
確かに無難なのですが、上のタイトルを見ただけで何を伝えようとしているかピンときますか?
料金を値上げするのか値下げするのかもわかりません。
タイトルを見ただけでどんな内容かわかるようにしましょう。以下のように改善してみました。

これであれば、「自分が関係する内容なのか」「自分にとってどんなメリットがあるのか」が想像つきやすくなります。
ひとつ注意点として、必ずしも「誰に」「いつ」「何を」の3要素すべてが必要なわけではありません。
期限などがない案内に対して、「いつ」を入れてもあまり意味がありませんよね。
伝える内容によって、どの要素が必要か考えて使い分けてください。
公用文でも「わかりやすさ」が重視されている
ダンクでは、クライアントに対して『~~のお知らせ』や『~~について』などのタイトルをつけるのはやめませんか?という提案をしています。
品や格はもちろん重要ですが、優先されるべきはわかりやすさ、という説明をしています。
もちろん、会社ごとの置かれた立場や状況により難しい場合もあると思いますが、可能な限り3要素(「誰に」「いつ」「何を」)をうまく活用してタイトルをつけてみてください。
他社との差別化にもなると思います。
ちなみに、2022年1月に文化審議会国語分科会から公示された「公用文作成の考え方」の中でも、基本的な考え方として「読み手に合わせてわかりやすく親しみやすく書く」ということが強調されています。
公用文は「わかりやすさ」を重視する時代に入ろうとしています。今後、ビジネス文書でも、わかりやすさが重視されると考えています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。チラシや文書を対象としたタイトルのつけ方を解説してきました。
●商品・サービスの販促を目的とするチラシ、フライヤー
メリット・デメリットを掘り下げて考える

具体的な言葉や数字をタイトルに盛り込みましょう!
●案内文書、通知文書などを目的とするビジネス文書
「誰に」「いつ」「何を」の3要素で考える

必ずしも3要素すべてが必要なわけではありません
あくまでダンクが重視しているタイトルのつけ方のコツです。
ですが、確実に成果がでるものと考えています。
貴社の状況に合わせて、可能は範囲で取り入れてみてください。
ダンクでは、きちんと情報が伝わることにこだわって、お客さまのわかりやすい情報発信をお手伝いしています。
自社のツールをわかりやすくしたいとお考えの方は、お気軽にダンクにご相談ください。
\「わかりやすい」制作物を作りたい方へ/
この記事を書いた人

- 伝わる編集セミナー講師
- 1997年株式会社ダンク入社。
チラシやパンフレットの制作ディレクション業務を担当。現在は伝わる編集・デザインを追究している。
2018年からはやさしい日本語にも力を入れ、各所で登壇している。
・都庁主催『やさ日フォーラム』デザイン×やさしい日本語の手法を紹介
・子供政策連携室 編集・検討委員会委員(東京都)
「伝わる文書作成術」を無料でダウンロード
「ユーザーにうまく情報が伝わらない…」そんな悩みを持つ方向けに、ダンクの編集ノウハウをまとめました。ノンデザイナー・ノンライターの方でも、すぐに使えるノウハウをまとめています。
以下のフォームにご入力いただき、「無料でダウンロードする」を押してください。
ダウンロードページにて、ダウンロードいただけます。