例文で解説!文章を短くして簡潔にするコツ【ビジネス文書の作り方】

この記事の対象となる方
この記事は、社内外に向けたビジネス文書を自分で作成している販促担当、商品担当、社内レビューを担当する部署の方に向けて、簡単にできる文章作成のコツをまとめたものです。
「自分が作った文書、なんか読みづらい…」
そんな課題を感じていませんか?
企業の文書作成をサポートしてきたダンクの経験から言うと、文章が読みづらくなる主な原因が長文です。
ひとつの文に、あれやこれやと書かれていると、読者は理解しづらくなり混乱します。
情報を誤解のないように伝えるビジネス文書では、大きな問題です。
この記事では、文書作成サポートの経験をベースに、文章を短くして、読みやすくするコツを解説しています。
今後のビジネス文書作りの参考にしてください。
一文一義を意識する
読みづらい文でよくあるのが、あれもこれも伝えようとして一文が長くなること。
やろうと思えば、文はいくらでも長くできます。それでは簡潔な文章になりません。
一文一義を意識して、一文に書く内容は、できるだけひとつに絞りましょう。
特に「~ので」「~おり」などを使うと、いくらでも文をつなげることができるので注意が必要です。
Before
●月●日から●月●日の期間は、当社の登録サイトはリニューアルを予定しており、一時的に新規登録の受付を停止していますが、お電話での新規登録は受付ておりますので、お急ぎの方はカスタマーサポートへお電話でお申し込みください。
After
●月●日から●月●日の期間は、当社の登録サイトはリニューアルを予定しています。
一時的に新規登録の受付を停止していますが、お電話での新規登録は受付ております。
お急ぎの方はカスタマーサポートへお電話でお申し込みください。
読み返したときに「なんか読みづらいな~」と思ったら、文の意味の区切れを意識してみてください。
目安として、一文を50~60文字以内におさめるのが理想です。
過剰な敬語表現を避ける
失礼のないように丁寧に書こうとしすぎて過剰に敬語表現が多くなる、これもビジネス文書ではよく起こります。
過剰に敬語表現を使うと、冗長な文章になりがちで読みづらくなります。
もちろん、読者への敬意は大事ですが、わかりやすさも重要です。
可能な範囲で簡潔な表現に置き換えてみてください。
Before
当社が開発を進めてきた新製品に関しまして、2023年4月から販売を開始することとなりました。
新製品の詳細につきましては、同封の商品カタログに記載しておりますので、ご確認くださいますよう、お願い申し上げます。
After
当社が開発を進めてきた新製品に関して、2023年4月から販売を開始します。
新製品の詳細は、同封の商品カタログに記載しておりますので、ご確認ください。
たいぶスッキリした文章になりました。
簡潔な表現に置き換えても、意外と敬意を損なわない文章になるものです。
ただし、お詫び状などの場合は、敬語表現をある程度使った方が、読者に誠意が伝わります。
文書の目的を鑑みて敬語表現の量を調節してみてください。
なくても意味が通じる言葉は省く
なくても意味が通じる言葉や重複した内容はできるだけ省きます。
例えば、
「契約期間は自動更新されます。基本的にお客さまのお手続きは必要ありません」
この「基本的に」は、なくても意味が十分通じます。
(お客さまの手続きが必要なケースは、システムトラブルで自動更新されない、といったケースでしょうか)
特に、ビジネス文書でよく見かけるのが、なくても意味が通じる接続詞です。
丁寧に書こうとしすぎると、接続詞が増える傾向にあります。
Before
●月●日をもって、お客さまにお送りしている請求書の郵送を終了します。従いまして、今後は専用サイトのお客さまページから、電子ファイルでの交付となります。
After
●月●日をもって、お客さまにお送りしている請求書の郵送を終了します。今後は専用サイトのお客さまページから、電子ファイルでの交付となります。
接続詞がなくても、意味は十分通じます。
「従いまして」(順接)や「ならびに」(並列)などは、省きやすい接続詞です。
ただし、逆接(しかしながら/ですが など)は、省くと意味が通じないことが多いので注意してください。
文脈に沿って意味が通じるかどうか確認しながら、接続詞の要否を判断してください。
箇条書きを使う
並列の項目や手順を示す場合は、箇条書きにすると簡潔でわかりやすい文章になります。
文章中で長々と示すより、箇条書きの方が処理する情報量が減るので、理解しやすくなります。
Before
お客さまページでは、住所・氏名、電話番号、メールアドレス、クレジットカード番号の登録内容を変更することができます。
After
お客さまページでは、以下の登録内容を変更することができます。
- 住所、氏名
- 電話番号
- メールアドレス
- クレジットカード番号
箇条書き部分を読めば「ポイントは4つあるんだなー」と、全体像をすぐに掴めます。
同様に、手順を示す場合も箇条書きの方が理解は早いです。
Before
ユーザー登録画面で、お客様コードを入力した後に、メールアドレスを入力して、決定ボタンをクリックしてください。
After
ユーザー登録の手順
1.お客様コードを入力
2.メールアドレスを入力
3.決定ボタンをクリック
3ステップであることが、すぐに理解できます。
このとき、afterのように数字を使うのは、手順や時系列など、数字に意味がある場合だけに限定しましょう。
なんでも数字を振ってしまうと「この数字に何か意味があるのかな?」と、あらぬ誤解を生んでしまいます。
注釈を使う
専門用語や固有名詞を説明する際に、( )カッコ書きで説明すると、文章が長くなり理解しづらくなります。
長い説明文になる場合は、注釈として文章の外に出してあげましょう。
Before
非課税期間終了時に、ロールオーバー(非課税期間(5年)が終了した際に、金融商品を翌年の新たな非課税投資枠に移管すること)するか、一般口座に移管するか、非課税期間内に売却するか選択することができます。
After
非課税期間終了時に、ロールオーバー(※)するか、一般口座に移管するか、非課税期間内に売却するか選択することができます。
※非課税期間(5年)が終了した際に、金融商品を翌年の新たな非課税投資枠に移管すること
注釈で説明した方が、文章自体が短くなり読みやすくなります。
「ロールオーバー」という単語をすでに知っている方にとっては、注釈を読む必要がない、というメリットもあります。
さらに、前述した箇条書きを組み合わせると、よりわかりやすくなります。
After
非課税期間終了時、以下から選択することができます。
- ロールオーバー(※)
- 一般口座に移管
- 非課税期間内に売却
※非課税期間(5年)が終了した際に、金融商品を翌年の新たな非課税投資枠に移管すること
まとめ
文章を短く簡潔にするコツを紹介しました。
【文章を短く簡潔にするコツ】
- 一文一義を意識する
- 過剰な敬語表現を避ける
- なくても意味が通じる言葉は省く
- 箇条書きを使う
- 注釈を使う
文章を書いている最中に、これらのコツを意識できればいいのですが、書くことに集中していると、なかなか気が回らなかったりします。
そこで、ダンクがオススメしているのが、
書き終わった後にコツを意識しながら読み直す、という方法です。
読み直したときに「なんかわかりにくいな…」と思ったら、文章を短くできないか考えてみてください。
きっと読みやすい文章に変わると思います。
文章を短くする以外にも、ビジネス文書を書くには、いくつかコツがあります。
以下の記事にまとめていますので参考にしてください。
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この記事を書いた人

- 伝わる編集セミナー講師
- 1997年株式会社ダンク入社。
チラシやパンフレットの制作ディレクション業務を担当。現在は伝わる編集・デザインを追究している。
2018年からはやさしい日本語にも力を入れ、各所で登壇している。
・都庁主催『やさ日フォーラム』デザイン×やさしい日本語の手法を紹介
・子供政策連携室 編集・検討委員会委員(東京都)
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