例文で解説!わかりやすい文章の書き方【ビジネス文書の作り方】

ビジネス文書の多くは、「必要な情報を知ってもらう」「必要な手続きをしてもらう」「誤りを訂正して謝罪する」など、読者に情報を正しく伝えるのが目的です。

そのため、ビジネス文書には「わかりやすさ」が求められます。
そうでないと、こちらが期待する行動を読者は起こしてくれません。

ダンクはこれまで、さまざまな媒体制作に携わってきました。
ビジネス文書の作成をサポートする機会もありますが、どの企業さんも文章の書き方に苦労されていました。

この記事では、その経験から得たビジネス文書のわかりやすい文章の書き方を、例文付きで解説しています。

文書作成の参考にしてもらえると嬉しいです。

ちなみに、案内チラシなどの販促物、WEBサイトなど、さまざまなシーンで使えるノウハウになっています。

わかりやすい文章を書くコツ

人の心を動かすような文章を書くには、文章センスや普段の読書量などが物を言います。

しかし、「わかりやすい文章」を書くのは、いくつかのコツさえ押さえておけば、ある程度書けるようになります。

ポイントは、敬意をかかない程度に文章をシンプルにして、読む負担を減らすことです。

この記事では、わかりやすい文章の書き方を8つのポイントに絞って紹介します。
ビジネス文書でよく見かける例文で解説しますので、実作業でのイメージも湧きやすいと思います。

一文一義を意識する

文章は一文一義を意識します。一文に書く内容はひとつに絞ります。

よくあるのが、あれもこれも伝えようとして文が長くなってしまうこと。
やろうと思えば文はいくらでも長くできます。それでは文章はシンプルになりません。

以下を読み比べてみてください。

Before

上場審査では、上場会社としての責任を果たせるかどうかについて、企業の成長性や安定した経営を行うことができるか、また、株主にとって重要な情報を会社が正確かつ速やかに公表することができるかなどを調べます。

After

上場審査では、上場会社としての責任を果たせるかどうかについて、以下のような内容を調べます。
・企業の成長性や安定した経営を行うことができるか
・株主にとって重要な情報を会社が正確かつ速やかに公表することができるか

多くのことを一度に伝えようとせず、一文一義を意識して句点で区切れるところはないかチェックしながら書きましょう。

afterのように、箇条書きを使うのも理解しやすくなるので効果的です。

目安として、一文を50~60文字以内におさめます。

主語と述語を対応させる

主語と述語の係り受けが、正しくかみ合うようにします。

主語と述語がかみ合わない文は、読者に違和感を与えてしまいます。
読みにくい文章になってしまうだけではなく、内容が正しく伝わらないこともあります。

Before

今回のリニューアルの目的は、検索機能の拡張による利便性の向上と2段階認証によるセキュリティ面を強化しています。

主語と述語を抜きだすと「(主語)目的は(述語)強化しています」になります。
意味が通じませんよね。

主語と述語をかみ合うようにします。

After①

今回のリニューアルの目的は、検索機能の拡張による利便性の向上と2段階認証によるセキュリティ面の強化にあります。

もしくは、主語を変えてかみ合わせます。

After②

今回のリニューアルを行うことで、検索機能の拡張により利便性が向上し、2段階認証によりセキュリティ面が強化されます。

主語と述語だけを抜きだしても、意味が通じる文になるようにチェックするクセをつけましょう。
特に長い文ではミスマッチが起こりやすくなります。

係り受けを近づける(主語・述語/修飾語・被修飾語を近づける)

主語と述語、修飾語と被修飾語などの係り受けの関係は近くに配置します。

述語や被修飾語が登場するまでに、あれやこれやが書いてあると、読者は「これ何の話だっけ?」と理解ができず読み返すことになりかねません。

Before

お問い合わせ専用アドレスは、3月1日のホームページリニューアルに伴いURLが変更となるため、以下の通り変更となります。

主語を近づけます。

After

3月1日のホームページリニューアルに伴いURLが変更となるため、お問い合わせ専用アドレスは以下の通り変更となります。

Before

ネット明細サービスは、24時間いつでも、請求書や納品書などの書類を、WEB上で確認いただけるサービスです。

修飾部を近づけます。

After

ネット明細サービスは、請求書や納品書などの明細を、24時間いつでもWEB上で確認いただけるサービスです。

結論を先に書く

最も伝えたい内容(結論)は文章の最初に登場させます。

読み進めないと伝えたい内容がわからない文章は、読者にもどかしさを感じさせます。

Before

プレミアムコースの特別企画として、プレミアム会員だけのプレゼント企画を実施いたします。2022年に対象商品を10,000円以上ご購入いただいたお客さまを対象として、抽選うえ、当社の特割10%チケットを5名さまにプレゼントいたします。

After

プレミアムコースの特別企画として、抽選で5名さまに、当社の特割10%チケットをプレゼントいたします。2022年に対象商品を10,000円以上ご購入いただいたお客さまを対象とした、プレミアム会員だけのプレゼント企画です。

ただし、お詫び状などの場合は結論を後にします。

例えば、こちらの落ち度により、お客さまに再度手続きをお願いするなど、何かしらの負荷を強いるケースです。

こういったケースでは、発生した背景や原因を述べたうえで結論を後に書く方が、誠意が伝わり読み手も納得しやすくなります。

読点でわかりやすくする

読点は、文章を読みやすくする、または誤解を生まないようにするために使います。

読点がない長い文章を読むのは、息継ぎなしで泳いでいるようなものです。
意味のまとまりごとに、最適な位置で読点を使って、息継ぎを意識して書きましょう。

長い主語、長い目的語の後ろに使う

Before

当プランに、加入されたお客さまには、スポンサーから、素敵な特典が送られます。

After

当プランに加入されたお客さまには、スポンサーから素敵な特典が送られます。

読点を使い過ぎるのも、文が分断されて読みにくくなります。
長い主語や目的語の後ろで読点を使いましょう。

文の長さに関係なく主語の後ろに読点を使うのをルール化しているケースもあります。
決して間違いではありませんが、なくても読みやすさに支障がでない場合は、主語が長くなったときに使うのがおススメです。

接続詞・副詞の後ろに使う

Before

ただし3日以内にご返送ください。

After

ただし、3日以内にご返送ください。

理由・条件・目的などの後に使う

Before

4月1日は、社休日となるため申し込みの受付は行っておりません。

After

4月1日は社休日となるため、申し込みの受付は行っておりません。

係り受けの区切りで使う

読点を使う位置によって、意味が変わってしまう場合があります。
以下の2つの例を読んでみてください。

(例①)
5日前に、郵送した手紙が不着であることが判明しました

(例②)
5日前に郵送した手紙が、不着であることが判明しました

例①は5日前に手紙が不着であることが判明
例②は5日前に郵送した手紙が不着であることが判明
何気なく読点を使うと、誤解を生じかねないので十分注意しましょう。

漢字、ひらがなが続くときに使う

Before

審査完了後会員証を発行します。

After

審査完了後、会員証を発行します。

漢字やひらがなが続く文は、パッと見て、どこまでが単語なのか区別しづらいことが多いです。
読みにくいな、と思ったときは読点を使います。

同じ語句を繰り返さない

同じ文章内で、同じ語句を何度も繰り返さないように注意しましょう。
同じ語句を使い過ぎると、稚拙な文章のイメージを与えかねません。

また、読むリズムも大切です。読者にストレスなく読んでもらう工夫が必要です。

よくあるのが「の」を繰り返す文。「私の会社の上司の〇〇は、~~」
「の」が3回続くと読むリズムがよくありません。

「私の上長である〇〇は、~~」のように表現を変えるなどして回避します。

他にも、やりがちな語句に「~では」「~ので」「~おり」などがあります。

Before

11月12日から11月20日の期間は、当社の登録サイトがリニューアルを予定しており、一時的に新規登録の受付を停止しており、11月21日以降の新規登録をお願いいたします。

After

11月12日から11月20日の期間は、当社の登録サイトがリニューアルを予定しており、一時的に新規登録の受付を停止しています。11月21日以降の新規登録をお願いいたします。

文末でも同じ語句を繰り返さないように注意してください。
「~ました」「~します」「~できます」などが3回続くと稚拙な文章に感じます。

Before

今回はお問い合わせいただき、ありがとうございました。以下の関連資料を同封いたしました。入会申し込み書も同封しました。入会を希望される方は、~~~

After

今回はお問い合わせいただき、ありがとうございます。以下の関連資料を同封いたしました。入会申し込み書も同封しておりますので、入会を希望される方は、~~~

また、同じ語句ではなくても同じ意味の語句を繰り返す、ということもよく起こるので注意が必要です。

Before

申し込み用紙の印刷は、カラーでプリントしてください。

After

申し込み用紙は、カラーで印刷してください。

「印刷」も「プリント」も意味は同じです。どちらかに統一します。

同じ語句を繰り返し使用していないか、最後に見直すクセをつけましょう。あらためて読み返してみると気づくことも多いです。

あいまいな表現をしない

冒頭でもお伝えしたとおり、ビジネス文書は読者に情報を正しく伝えるのが目的です。
できるだけあいまいな表現は使わず具体的に書きましょう。

あいまいで抽象度の高い表現をしてしまうと、読者は具体的な行動に移すことができません。

数字と固有名詞を使う

Before

年末年始は注文が集中する繁忙期となりますので、納品までに通常より1日多くかかる場合があります。通常よりも余裕をもったご注文をお願いいたします。

After

年末年始は注文が集中する繁忙期となりますので、納品までに通常より1日多くかかる場合があります。通常よりも2日早いご注文をお願いいたします。

「余裕を持った」では人によって感覚が異なります。誰が読んでも認識違いがないように、具体的な期間や数字を明記します。
特にビジネス文書では、手続き期限や返送期限など期間を示すことが多いので注意しましょう。

Before

詳細は同封の書類をご確認ください。

After

詳細は同封の「記入ガイド」をご確認ください。

「同封の書類」では、複数の書類が同封されている場合、どの書類かすぐにわかりません。
書類の固有名詞を具体的に書きましょう(上の例では「記入ガイド」)。

指示語を使わない

Before

お客さまにご登録いただいている管理コードが以下の通り変更となりました。未登録の方は、任意に管理コードを付番しております。これは商品購入の際に必要になります。

After

お客さまにご登録いただいている管理コードが以下の通り変更となりました。未登録の方は、任意に管理コードを付番しております。管理コードは商品購入の際に必要になります。

「これ」や「この」では、何を指しているのか迷う場合があります。

頭から読んでもらえればまだいいですが、途中から読み始める読者も一定数います。そういった場合に、指示語で書かれていると何を指しているのかわかりません。

できるだけ固有名詞で書くようにしましょう。

専門用語を使いすぎない

読者が知らない専門用語や聞きなれないカタカナ語は、できるだけ使わないようにします。

読者の知識量によっては、内容が理解されず誤解するリスクがあります。

ダンクでは生命保険などの金融系の仕事が多いですが、業界的に専門用語が頻繁に使われます。
(専門用語を使わないと説明できないケースもあるので、使わざるをえないという事情もあります)

使用せざるをえない場合は、注釈などで補足説明をするようにしましょう。

また、対象読者を明確にするのも重要です。

例えば、これから貴社のサービスや商品を利用しようと検討している方に向けて、専門用語が頻出する文書は難解に感じます。

逆に古くからのお客さまであれば、ある程度専門用語を使っても理解してくれるでしょうし、むしろ話が早いかもしれません。

ですから、文章を書く前に対象読者を明確にしておくと、どこまで専門用語を使っていいのか判断しやすくなります。

対象読者を明確にする方法を以下の記事で紹介しています。参考にしてください。

【チラシ・文書作りのコツ】効果を上げる目的とターゲット層の決め方

まとめ

細かく言えば他にもポイントはありますが、ダンクが重視している8つのポイントに絞って解説しました。

【ビジネス文書の文章をわかりやすくするポイント】

  • 一文一義を意識する
  • 主語と述語を対応させる
  • 係り受けを近づける(主語・述語/修飾語・被修飾語を近づける)
  • 結論を先に書く
  • 読点でわかりやすくする
  • 同じ語句を繰り返さない
  • あいまいな表現をしない
  • 専門用語を使いすぎない

最後にもうひとつビジネス文書を作るうえで重要なポイントをお伝えします。

それは、誤字脱字をなくすこと。

誤字脱字が多かったり、表記ゆれがあったりでは、いくらわかりやすい文章を書いても信用を失ってしまいます。

以下の記事で誤字脱字をチェックするコツを紹介していますので参考にしてください。

コツを知れば簡単!誤字脱字をチェックする方法【校正25年のノウハウ】

表記ゆれや事実関係の誤りを見つける方法はこちら。

クレームを減らす素読み校正のコツ【校正会社が素読みのコツを解説】

ダンクでは、きちんと情報が伝わることにこだわって、お客さまのわかりやすい情報発信をお手伝いしています。
ビジネス文書や販促ツールの制作でお困りの方は、お気軽にダンクにご相談ください。

”わかりづらい”で困っている方へ

この記事を書いた人

森順一郎
森順一郎伝わる編集セミナー講師
1997年株式会社ダンク入社。
チラシやパンフレットの制作ディレクション業務を担当。現在は伝わる編集・デザインを追究している。
2018年からはやさしい日本語の普及にも力を入れ、各所で登壇している。
・都庁主催『やさ日フォーラム』でデザインとやさしい日本語を組み合わせた手法を紹介
・2021年度 多文化共生コーディネーター研修 修了

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