【事例で解説】校正・校閲の作業設計。作業フローを改善してミスを削減した事例

校正・校閲は、作業者の経験やスキルがものをいいます。もろに結果に表れます。

ただし、どんなに経験やスキルがあっても、校正・校閲の作業設計を間違えると効果がなかったり、効率が悪かったりします。

スキルや経験は重要ですが、どう作業を設計するかで成果が大きく変わってくるのです。

今回は、校正・校閲を実施するベストなタイミングや作業フローなど、校正・校閲の作業設計の方法を解説します。

実際の事例を紹介しますので、貴社の業務でもイメージしやすいと思います。
真似できる内容があれば試してみてください。

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【事例】校正・校閲の前に原稿ミスを徹底的に洗い出す

まずは、いつ校正・校閲を行うのか、タイミングの重要性を解説します。
タイミングを誤ると、ミスが増えるだけではなく、非効率な運用になるケースが多いです。

とりあえず校正・校閲やっておけばミスは減るでしょ

そう思うかも知れません。
もちろん、校正・校閲をすることでミスは減ります。

ですがタイミングを誤ると、そのタイミングでは見つけられないミスがあったり、多くの赤字が入って非効率だったりということが起こります。

事例で解説しましょう。

オフィス家具メーカー/B社さま(依頼内容:校正、原稿整理)

B社さまでは、500ページ以上の商品カタログを年1回発刊していますが、社内のリソースが足りず、校正をダンクに委託しました。

作業設計の問題点

作業を始めてみると、初校でかなりの赤字が入り、その修正作業に多くの時間を費やしていることがわかりました。

理由は簡単で、B社さまの原稿そのものの間違いが多かったためです。

デザイン担当も原稿通りに作るので、間違いはそのまま初校に残ります。

誤字脱字や表記ゆれ、商品情報の矛盾など、多くの間違いを初校で指摘しました。
そのため、初校にかかる負荷(作業時間)が高くなっていたのです。

ダンクの対策

そこで、ダンクは初校前の段階で、原稿自体の素読み校正を行程に組み込みました。

デザイン制作する前の原稿の段階で間違いを減らすことで、初校の負荷を減らすことができます。
制作前であれば、原稿を修正するだけ(基本的にテキストを修正するだけ)で済みます。

例えばこんな視点で素読み校正を行いました。

例)
商品原稿と写真原稿で食い違いがないか、原稿の不備を洗いだした例。
・商品名は3段袖机→写真も3段になっているか
・商品名は肘つき椅子→写真も肘がついているか

こういった素読み校正を行い、制作前に間違いを潰しておきます。
すると、初校の赤字が減る→制作側・校正側どちらの作業負荷も減るという好循環が生まれるのです。

作業負荷が下がる分、品質は向上します。

校正を体系的に学びたい方は以下の記事を参照してください

【事例】校正・校閲の作業フローをイチから見直してミスを削減

ミスを恐れるあまり、不必要に校正・校閲の工程を増やしてしまう、無駄に作業負荷を上げてしまう、というケースもあります。

最初の事例とは真逆の例です。

宅配・通販事業/A社さま(依頼内容:校正・校閲)

A社さまでは、年間約190媒体のパンフレット・チラシを制作しています。
年間を通して相当量をこなす必要があり、大がかりな制作体制を組んでいました。

作業設計の問題点

A社さまでは、原稿の不備(内容の誤り、矛盾)や修正と確認を何度も繰り返す制作フローなど、多くの課題と作業負荷を抱えていました。

ダンクは作業フローに問題があると感じ、フローの見直しとA社さま内の原稿精度を上げる施策を行いました。

ダンクの対策

最初に行ったのが作業フローの見える化です。

制作会社を含めた制作の流れと関連部署とのやり取りをフロー図に起こし、以下の視点で課題を洗いだしました。

  • ミスにつながる確率が高い作業工程はどこか
  • 複数の部署で、同じ作業に時間をかけていないか

ダンクは、しなくても済む校正・校閲作業を省略し、逆に重要な工程ではダブルチェックを敷く運用にすることで作業フローを改善します。

さらには、工程ごとに作業チェックリストを作成・運用し、ミスを減らすことにつなげています。

フロー改善後も、ダンクが蓄積したヒヤリハットを共有する場を設けたり、ダンクの広告校正セミナーをA社さま内で定期的に実施したりと、継続的に品質向上の施策を行っています。

その結果、A社さま内の意識も高まり、重大な事故を約10分の1へ削減することに成功しました。

「ミスが減らない」「内容をチェックする時間がない」でお困りの企業さまは、ダンクの校正・校閲サービスをご活用ください。
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【事例】初期段階から校正担当をアサインして作業を設計

校正・校閲の作業設計の事例を紹介してきましたが、自社で設計するのもなかなか難しいものです。
経験やスキルが多少必要です。

次の事例は、初期段階からダンクが制作チームに加わり、作業設計から請け負った例です。

その方が無駄もなく、効率的だったりします。

コスメティックメーカー E社さま(依頼内容:校正、進行管理)

E社さまでは、会員向けのダイレクトメール(DM)として、冊子やチラシ、新商品サンプルなど多くのツールを定期的に郵送しています。

ですが、E社さまの担当者はさまざまな販促業務をこなしているため、ツールの細部まで目が行き届かない状況でした。ミスやクレームが生じることも稀にあり、校正作業をダンクへ委託することにしました。

作業設計の問題点

ダンクは、繁忙の担当者の負担を増やさずに、校正・校閲を行う方法を検討しました。

単純に校正・校閲をダンクが請け負うのでは、担当者が原稿と校正紙を用意したり、校正のスケジューリングをしたりと、手間が省けません。

さらには、適切なタイミングで校正・校閲を実施しないと、指摘できるミスにも限界があります。

ダンクの対策

そこで、ダンクでは制作履歴を把握しつつ、詳細なチェックができる「伴走型のリモート校正」を提案し、以下を実践しました。

まずは、本件の制作依頼は原則メールで連携されており、そのメールに関係者としてダンクの校正担当者を加えてもらいました。

メールを随時確認することで、修正の内容や原稿類、最新のデザインPDFなど、制作に関わるほとんどの情報が把握できるようになります。
わざわざ担当者が校正用の材料を用意したり、校正者へ説明したり、といった手間を省くことができます。

次に、制作の経緯はメールから把握できるため、どのタイミングで校正・校閲を実施するかダンク側から提案するフローにしました。

校正・校閲の材料用意からタイミングまで、知見があるダンクの校正者に任せてしまう方が効果的で効率的です。

E社さま担当者からは、
「どのタイミングでどういうチェックをすべきなのか、プロの校正者視点と設計を学習できるのでありがたい」
との感想をいただきました。

まとめ

校正・校閲は作業設計がキモ、という事例を紹介しました。

案件の内容や状況によって、ベストな設計方法は変わります。

ミスやクレームなどで課題を抱えている方は、

  • ベストなタイミングで校正・校閲をしているか
  • 無駄に校正・校閲を繰り返していないか

といった視点で作業設計を見直してみると、改善するきっかけになると思います。

ダンクでは、さまざまな業界・媒体の校正・校閲業務を請け負ってきました。
校正・校閲の作業設計から依頼したいという方は、ダンクの校正・校閲サービスをご利用ください。

\校正・校閲の作業設計から依頼したい方/

その他、校正・校閲の事例を以下にまとめています。参考にしてください。

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この記事を書いた人

岡崎聡
岡崎聡株式会社ダンク 取締役相談役
フリーランスでの編集・カメラマンなどを経て、1994年に株式会社ダンク入社。校正、進行管理、営業対応などに携わる。
2008年10月~2023年5月まで株式会社ダンク取締役社長に従事。
2014年からは、宣伝会議の「校正・校閲力養成講座」講師を担当。
販促会議デジタルマガジンに「販促ツールの品質を高める 校正のチェックポイント」などを寄稿

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