【校正会社が教える】校正を外注するときの依頼ポイントと作業期間の目安

今回は、校正を外注するときに押さえておく依頼ポイントを解説します。

ありがたいことにダンクも校正の依頼をいただきますが、「どうやって依頼したらいいのかわからないのですが…」という企業さんは一定数いらっしゃいます。

依頼内容の確認で何度かメールのやりとりをする、ということも稀にあります。お互いにそこで時間を浪費したくはないですよね。

この記事では、校正を外注するときの依頼内容のポイントを解説しています。

時間もコストもロスの少ない校正の外注先選びをしてください。

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校正と校閲 どちらを外注するのか

本題に入る前に、校正と校閲の違いを知っておきましょう。

校正を依頼するのか、校閲を依頼するのかで、選ぶ外注先も変わってきます。

そこを認識しておかないと、依頼を断られるケースや低品質で納品されるケースがあるので、知識として持っておく方が安心です。

校閲を外注する

校閲は、文章にまつわる間違いを指摘します。

小説・エッセイなどの書籍や雑誌の読み物系を主に扱います。

執筆したゲラ刷り(校正のための試し刷り)を読んで、誤字脱字や表記ゆれ、事実関係の誤り、差別表現や不当表示などの文章に関する間違い・矛盾を指摘していきます。

校正を外注する

校正は、ベースとなる原稿と制作した紙面の内容が違っていないか照合するのが基本です。

商品カタログ・パンフレット、折込チラシや企業報告書など、企業の制作物を主に扱います。

原稿をベースにデザインをする過程で、多くのミスが発生します。このミスを拾うのが主な校正の仕事です。
加えて、校閲で行うような誤字脱字や表記ゆれのチェック、オーダーによって事実関係の誤りなどのファクトチェックも行います。

校正と校閲、どちらの作業を依頼するのか把握したうえで、外注先を選んでください
各社ホームページを見れば、対応範囲が記載されているので確認しておきましょう。

この記事では、校正を外注するときのポイントを解説します。

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校正の外注先

校正の外注先は、校正を専門に請け負う校正会社だけではなく、派遣会社やクラウドソーシングのような、人的リソースを補充するという形で依頼することもできます。
それぞれ簡単に紹介しておきましょう。

校正会社

弊社ダンクのような、校正を業務として請け負っている会社です。

組織として校正を請け負うので、基本的に丸投げでお願いすることができます。

依頼した後は校正会社に任せてしまえばいいので、本来の自分の業務に集中できます。

また、「自社で校正スタッフを雇用する」といった対応に比べると、お願いしたい案件があるときだけ依頼することができるので、コスト面でのメリットもあります。

ただし、繁忙時期やスタッフ確保の時間などから、あまり時間がない急ぎ仕事は難しい場合があります。可能な限り余裕を持って依頼するようにしましょう。

派遣会社

校正者を自社に派遣してくれるのが派遣会社です(いわゆる出張校正)。

  • 原稿が複雑なので、自分の近くで説明しながら作業して欲しい
  • 原稿を外部へ持ち出すことができないので、自社内で作業して欲しい

このような事情がある場合は、出張校正を基本とする派遣会社の方が都合がよいでしょう。
(校正会社でも出張校正に対応している場合があります。各社へ確認してください)

ただし、校正会社のように丸投げというわけにはいきません。
依頼する内容をきちんと伝えて、作業の進捗を管理する必要があります。

また、予定より早く作業が終わったとしても、1日もしくは半日分の費用の補償が必要です。

クラウドソーシング

最近増えているのが、「クラウドワークス」や「ランサーズ」などのクラウドソーシングです。

  • 予算が決まっているので低コストで済ませたい
  • 納期まで時間がないので、急ぎで対応して欲しい

といった事情がある場合は、クラウドソーシングが最適です。

フリーランスの校正者や副業で在宅作業など、わりと融通が利く場合が多いので、柔軟に対応してもらえます。

ただし、人選びは慎重にした方がいいでしょう。個人のスキルに依存するので、人によって品質に差がでることがあります。

校正の依頼内容を決める

ここからは、校正を依頼するときの依頼内容の決め方を解説します。
校正を外注した経験でもない限り、どうやって要件を決めて依頼していいのかよく分かりませんよね。

そういうときは、校正者に「どこを見て欲しいのか」を考えてみましょう。それがそのまま校正者にして欲しい作業(依頼内容)になります。

校正して欲しい不安要素を伝える

と言っても難しい話ではありません。
自社の制作物の「どこに不安な要素があるのか」「どこを重点的に校正して欲しいのか」を考えてみてください。

例えば、制作している商品カタログの料金表が、自動流し込みではなく手入力(コピー&ペースト)で制作しているという場合、料金表に間違いがないか不安ですよね?

この場合は、料金表の文字と数字に不安があるので重点的に校正して欲しい、ということになります。
このような不安な要素を伝えれば、校正会社は最適な校正方法を設計してくれるはずです。

ただ漠然と校正を依頼するよりも、どこに不安があるのか、どこを見て欲しいのか把握して依頼する方が、精度の高い校正が期待できます。

また、作業内容によって校正料金も変わってくるので、より正確な見積を受け取ることができます。

不安要素に対応する校正作業を表にまとめました。
自社がどれに該当するのか確認してみてください。お願いしたい校正作業が分かると思います。

不安要素校正作業作業内容
誤字脱字、表記ゆれなどの
文章の間違いがないか
素読み校正制作物を一字一句素読みして、間違いや矛盾点を指摘します。
貴社独自の表記ルールがある場合は、依頼時に連携しておきましょう。
文章の事実関係の間違いがないかファクトチェックライターなどが執筆した内容に、事実関係の間違い(引用元や時系列の間違いなど)がないか、
WEBや参考図書などを参照してチェックします。
原稿通りに制作できているか原稿校正デザインレイアウトしたときに、原稿のコピペミスや情報のヌケモレが発生していないか、
原稿と照合して間違いを指摘します。
赤字修正が正しく直っているか履歴校正何度も赤字が入り修正を繰り返している場合に、赤字が正しく直っているか、過去の赤字履歴をチェックします。
依頼時に、赤字の量と修正回数を伝えましょう。

細かく言うと他にもありますが、これくらい把握できていれば十分です。

制作状況によっては、不安要素はひとつとは限らないと思います。その場合は、必要な校正作業の組み合わせで依頼します。

校正して欲しい内容が判然としない場合はダンクにご相談ください。
ミスの原因となる危ない箇所・工程をヒアリングしたうえで、最適な校正の作業設計を行います。

作業要件を伝える

上記で説明した不安要素の他に、基本情報として以下の内容も伝えておきましょう。

  • 対象媒体
    カタログ、パンフレット、チラシ、会報誌、社内報、WEBコンテンツ・・・ など
  • ページ数
    依頼する総ページ数
    ※WEB記事などの場合は、1記事あたりの文字数でも構いません。
  • 作業期間
    校正を戻すまでの期間
    ※校正会社の場合、作業期間に合わせて人員を手配するので、依頼時に伝えましょう。

以上の要件を伝えれば、作業イメージはつかめると思うので、各社見積を検討することができます。

可能であれば、実際に校正する紙面または類似した媒体をサンプルとして送付してあげましょう。
作業のイメージがさらにつかみやすくなります。

校正の作業期間の目安

校正の作業期間は、依頼する内容によって大きく変わります。

当然ですが、依頼内容が複雑であればあるほど時間がかかります。

ダンクの例で言うと、パンフレットの校正作業の場合で、

  • 素読み校正
  • ファクトチェック
  • 原稿校正

の依頼があった場合、ひとりで1日にこなせる量は8ページくらいが目安です。
(3人で作業すれば、8ページ×3人=24ページが1日にこなせる量の目安)

作業内容が多岐にわたる場合は早めに校正を依頼して、充分な作業期間を確保することをオススメします。

具体的な期日が決まっている場合は先に伝えましょう。納期に合わせた体制を組んでくれることもあります。

(参考)校正料金の目安

校正の料金についても作業期間と同じことが言えます。
依頼内容が多岐にわたるほど、時間も料金もかかります。

校正料金の目安としては、1時間にどのくらいのページ数をこなせるか、で考えると分かりやすいです。

例えば、派遣社員の時給の相場は、おおよそ2,500円~2,800円くらいです。
(スキルによっては、それ以上の場合もあります)

1時間にこなせる校正の量が3ページとした場合、単純な割り算でページ単価は800円~900円程度になります。

これはあくまで派遣社員の相場から計算した目安です。
校正会社の場合、各社異なりますので見積をお願いして確認してください。

(1文字●●円のような料金提示をしている会社もありますが、基本的には校閲作業の料金のことが多いです。さまざまな条件が絡みあう校正の場合は、文字単価ではなく、ページ単価や時給が基本です。)

校正マニュアルダウンロード

まとめ

校正を外注するときの依頼内容のポイントを紹介しました。

校正を依頼する際は、

  • 何の作業を依頼するのかを決める(校閲か校正か)
  • 不安要素(校正して欲しい内容)を伝える

を自社内で明確にしておきましょう。

この内容次第で、作業期間と料金が決まってきます。

会社によって得手不得手のジャンルもありますし、担当した校正者のスキルによって品質が変わる場合もあります。

外注先のホームページの実績や取り組みなどを確認して、判断材料にすることをオススメします。

ダンクが考える校正とは

そもそもの話をしますと、校正をする目的とは何でしょうか?

もちろん間違いをなくすことですよね。ある意味、この目的が達成されるのであれば校正にこだわる必要もありません。

ダンクでは、多くの赤字や修正が入る案件を請け負うと、

イヤー疲れた。間違いが多くてやりがいのある仕事だったぜ!

という思考にはなりません。

なんでこんなに赤字が入るの?何か工程に問題があるんじゃないの?

と、制作のプロセスに問題があるのではないかと疑います。

「校正で赤字が入らない仕組み作り」これがダンクの目指す理想の校正です。

校正会社らしからぬ理想ですが、これまでの経験上、これが一番効率的です。

ダンクは、これまでカタログやパンフレットなど販促物の校正を数多くこなしてきました。
校正作業はもちろん、制作工程の改善にも課題を感じている方は、ダンクへご相談ください。


「校正会社に依頼するほどコストをかけられないので、自分で校正を済ませたい」という方向けに、ダンクの校正ノウハウをまとめた記事もあります。参考にしてください。

関連記事|【初心者向け】プロの校正のやり方を校正会社がわかりやすく解説

この記事の監修者

加藤健太郎
加藤健太郎広告校正セミナー講師
2007年ダンク入社後、大手流通チラシの校正業務を担当。その後、大型カタログや金融商品等、さまざまな校正・校閲業務に携わる。
現在は編集・校閲グループリーダーとして、編集・校正業務はもちろん、クライアント対応やスタッフ育成、社内外に向けた校正ノウハウの発信にも注力する。
2024年からは宣伝会議の「校正・校閲力養成講座」講師を担当。

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