校正会社が校正と校閲の違いと役割を解説!あなたが作成した制作物に必要なのはどっち?

制作物の間違いを見つける「校正」と「校閲」。
どっちも似たようなものでしょ?と思うかもしれませんが、実際の作業内容は少し異なります。

一部重複する部分もありますが、「校正」と「校閲」の違いを端的に言うと以下のようになります。

  • 校正 制作過程で間違いが発生していないか原稿(信用できる照合先)と照合してチェックする
  • 校閲 制作物の内容に矛盾や誤りがないか素で読んでチェックする(素読みチェック)

もちろん、校正を進める中で校閲的視点が必要になったり、校閲をしながら校正スキルが求められたりすることもあります。

この記事では、「校正」と「校閲」の違いと役割を校正・校閲の専門会社が紹介します。

校正とは?

校正とは、原稿を元に制作(デザイン)した紙面内容に間違いがないか、原稿と照合していく作業を言います。

何を原稿とするかはその時々で異なりますが、基本的に広告主側が提供する資料や資材を原稿と呼んでいます。

商品の価格やスペック・特徴などは制作側で勝手に掲載するわけにいきませんから、原稿を元に制作することになります。

この制作する過程(デザインする過程)で多くのミスが発生します。このミスを拾うのが校正の主な仕事です

そもそも原稿が間違っている(誤字脱字や表記ゆれ、内容の不整合など)ということもよく起こります。これらも合わせてチェックしていきます。

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校正が必要になる媒体

基本的には、広告・販促を目的とする媒体を制作する際に校正を行うことが多いです。

企業や団体が、販売促進・広告宣伝といった事業活動のために活用する媒体です(商業印刷物とも言います)。
主にカタログ、パンフレット、チラシ・フライヤーなどがあります。

こう書くと紙媒体をイメージするかも知れませんが、最近ではWebサイト上でカタログやチラシを公開することも多いので紙媒体だけに留まりません。

特にECサイトでは商品スペック・価格を間違えるわけにはいきませんから、間違いが発生していないか校正を行うケースも増えてきています。

校正者に必要なスキル

校正者には高い集中力と細部への注意力が求められます。

例えば、カタログ紙面を思い出してみてください。
類似商品が並ぶ商品型番などは、似たような英数字がズラッと記号のように並んでいますよね。

これら商品スペックを原稿と照合する際は、とにかく集中力が必要です。
集中を欠くと間違いを簡単に見落とします。

時には照合している原稿の内容が、そもそも間違えていることもあります。

あれっ、この商品だけ他と比べて高いな。
ただの色違いのはずだけど・・・

こんな感じで原稿の間違いに気がつくこともできます。
ただし、漫然と校正していても気がつきません。細部への注意力がないと困難です。

また、誤字脱字や日本語の誤り、表記ゆれなどもチェックしますので、ある程度の日本語知識も必要になります。

校正のやり方

集中力と注意力が必要な校正ですが、やり方を工夫することで校正の精度を高めることもできます。

以下の記事では、ダンクの校正のやり方をまとめました。
創業から30年で培ったノウハウをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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校閲とは?

校閲とは、誤字脱字や表記ゆれなどに加えて、事実関係の誤り、根拠のないデータ表示、差別につながる表現など、文章のあらゆる矛盾・間違いを指摘していく作業です。

書籍や雑誌などの活字が中心の出版業界では必須の作業となっています。
(もちろん出版業界でも校正作業は行いますが、主に校閲が中心です)

校閲は文章のあらゆる矛盾を指摘していく作業です。
事実関係の誤りなどがあっては個人・企業のブランドイメージに関わりますし、内容によっては法的リスクが伴うこともあります。

校閲が必要になる媒体

基本的には、雑誌・書籍・新聞などの印刷物に対して校閲を行います。

活字を扱う媒体では校閲が必須で、出版社や新聞社には校閲部が存在しています。
(中には校閲を外注するケースもありますが)

ただ、校閲スキルが活躍するシーンはこれらだけではありません。
文章の誤りが許されない業界・ジャンルであれば、媒体を問わず校閲が必要になります。

例えば、学習教材。
学習教材は、学生や学習者に正確な知識を伝えるためのツールです。誤った情報や不正確な内容は学習者に誤解を与え、教育の質を低下させる恐れもあります。
他にも、製品の使用方法や安全性に関する情報を掲載する技術文書やマニュアルなども対象となるでしょう。

近年では、校正同様、Webサイト上でも校閲を必要とする媒体が増えてきました。
出版社や新聞社がWebメディアを運営しているケースはもちろん、Webサイト上に各種記事を公開して集客につなげるオウンドメディアなどもその一例です。

コンプライアンスが重視される時代背景もあり、動画コンテンツ(テレビ番組やyoutubeなど)のテロップ校閲の依頼も増えてきています。

どんな媒体を扱うにしろ、文章の誤りがイメージ低下につながる媒体には校閲が必要になってきます。

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校閲者に必要なスキル

誤字脱字や日本語表現の誤りを指摘しなければなりませんから、日本語に関する知識や文脈を理解する文章力が必要です。

加えて、幅広い分野にわたる一般常識も求められます。
幅広い分野の知識がなくては、事実関係の誤りや文章の矛盾に気がつくことができません。

自分が得意とする分野だけを校閲者が選んで作業する、なんてことはできませんから、どんな分野でもある程度の知識が必要なのです。
(もちろん、高い専門知識を持つ分野があれば、指名で作業を請け負うことはありえます)

そういう意味では、常に知識を吸収しようとする学習意欲も重要なスキルと言ってもいいでしょう。

校閲のやり方

ダンクでは、校閲のことを「素読み校正」と呼んでいます。
(書籍や雑誌などの媒体はあまり扱っていないので)

呼び方は異なりますが、作業内容はほぼ同じです。
「素読み校正」のポイントを、以下4つの作業に体系化して紹介します。

  • 常識チェック
    日本語の違和感や常識的な間違いをチェック
  • 誤字脱字チェック
    漢字や送り仮名の間違い、英語のスペルミスなどをチェック
  • 表記ゆれチェック
    同じ制作物内で表記がゆれていないか(異なっていないか)をチェック
  • ファクトチェック
    数値や時系列、日付や人名など事実関係の間違いをチェック

これら4つの作業のコツを以下の記事にまとめています。参考にしてください。

校正・校閲における生成AIの活用

ここ数年話題のchatGPTをはじめとする生成AI。
校正・校閲作業でも無視できない存在となってきました。

ダンクでも試験的な導入を試みたりしていますが、校正・校閲の作業範囲をすべてカバーしてくれるかと言えば、現時点ではまだ難しいと感じています。

もちろん、まったく使えないわけではありません。

誤字脱字や表記ゆれ、日本語表現の間違いなどの指摘はある程度できます。
ただし、その指摘の精度にムラがあるのです。
(同じ条件で実施しても、指摘するときもあれば、しないときも・・・)

業務として校正・校閲を請け負っているダンクが、今日はたまたま見落としてしまいました…とは口が裂けても言えません。

ましてやファクトチェック(事実関係の確認)に関しては、生成AIの指摘を鵜呑みにするわけにいきません。

ですので、人が目視でチェックするのを前提として、ダブルチェック的な使い方で生成AIを併用するのがダンクのオススメです。
もしもの見落としやチェックモレを保険的に生成AIにカバーしてもらいます。

ただし、これはダンクが考える生成AIの使い方です。
chatGPTなどは、プロンプト(指示命令文)をどう書くかで精度が変わってきますし、ましてやAI技術は日進月歩で進化していますので、今後どう改善されていくか分かりません。

まとめ

「校正」と「校閲」の違いとその役割を紹介してきました。

冒頭でも触れましたが、「校正」と「校閲」の違いを端的に言うと以下になります。

  • 校正 制作過程で間違いが発生していないか原稿(信用できる照合先)と照合してチェックする
  • 校閲 制作物の内容に矛盾や誤りがないか素で読んでチェックする(素読みチェック)

ここまで書いたように、校正・校閲を高いレベルで実施するには、専門的なスキルが必要になります。
自分でやるにはちょっと不安…という場合は、お気軽にダンクにご相談ください。
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ダンクでは、校正・校閲の実績も豊富にあります。
創業から30年のダンクの事例を以下で紹介していますので、参考にしてください。
>ダンクの事例を確認する

この記事の監修者

加藤健太郎
加藤健太郎広告校正セミナー講師
2007年ダンク入社後、大手流通チラシの校正業務を担当。その後、大型カタログや金融商品等、さまざまな校正・校閲業務に携わる。
現在は編集・校閲グループリーダーとして、編集・校正業務はもちろん、クライアント対応やスタッフ育成、社内外に向けた校正ノウハウの発信にも注力する。
2024年からは宣伝会議の「校正・校閲力養成講座」講師を担当。

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