【校正会社が検証】無料の文章校正ツールの使い勝手をレポート

校正業務からスタートしたダンクは、まもなく30年目を迎えます。

文章の間違いがないか格闘する毎日ですが、校正者の目だけで校正をしているかと言えば、そうとも限りません。

例えば、100語を超えるような表記ルールを目視だけでチェックするのは至難の技です。
(多いときは300語を超えます)
そんなときはデジタルに頼って、校正ツールも活用しています。

と言っても利用目的は、「表記ゆれ」と「修正紙面の差分」のチェックに限定しています。
Just Right!(文章校正支援ツール)BitMatch(PDF比較 デジタル検版ソフト)を使用しています。どちらも有料ツール)

誤字脱字を指摘するような、いわゆる文章校正のツールは使っていません。
なぜなら、100%の指摘は難しいから。

仕事として校正を請け負っている以上、「校正ツールが指摘してくれなかったので見落としました」とは言えませんからね。

ですが、AIの進歩も著しい昨今、文章校正ツールも無視はできません。
食わず嫌いもよろしくないということで、文章校正ツールの使い勝手を確認しようという主旨から、無料の文章校正ツールを実際に使ってみました。

100%間違いを指摘するのは難易度が高いと感じましたが、使用目的を明確にすれば、便利であることは確かです

校正ツールを使いたいと考えている方には、参考になると思いますので読んでみてください。

今回使用した無料の文章校正ツール

5つの文章校正ツールを実際に使ってみました。

選んだ基準は以下の通り。

  • 無料で利用できる
  • 手軽にオンラインで利用できる(ブラウザ上で利用できる)
  • 検索で上位表示されるツール、比較記事で取り上げられているツール
ツール名内容
「PRUV」(プルーフ)無料・有料版あり
※無料のユーザー登録で辞書登録機能が利用可能
Enno(えんの)無料版のみ
※ユーザー自らエラー内容の投稿が可能
チョイミテーナ(文章校正ツールは)無料版のみ
※文字起こしや音声読み上げを利用可能(無料は一部)
so-zou.jp無料版のみ
※テキスト処理ツール(形態素解析、HTML変換など)も利用可能
Shodo(ショドー)無料・有料版あり
※記事の相互レビューや有料で表記ゆれルールの設定が可能

何となく使ってみるだけでは各ツールの特性も理解できないので、間違いを仕込んだ例文を用意しました。
この例文を各ツールで実際にチェックして、使い勝手を確認しています。

(ツールの善し悪しを決めるものではありませんので例文は掲載しません)

例文中に仕込んだ間違いは、主に以下の項目です。

  • 誤字脱字
  • 同音異義語
  • 表記ゆれ
  • 文章の違和感(ら抜き、い抜き、助詞の連続(「の」の使い過ぎ) など)

これらの項目を中心に、ひとつずつ検証結果を紹介します。

オンライン文章校正支援サービス「PRUV」(プルーフ)

PRUVは、文法や固有名詞、送り仮名の誤りなどを、できる限りの方法でチェックする校正支援ツールです。
無料と有料のプランがありますが、無料版でも300文字までチェックできます。

ユーザー登録を行えば、使用範囲が拡大して2万文字まで利用可能です。また、オリジナルのユーザー辞書(最大100ルール)も作れるようになるので、自社の表記ルールなどがある場合は重宝しそうです。

PRUV使ってみた

無料のユーザー登録を行って検証してみました。

<校正結果>

PRUVの特徴

違和感のある文章に対する指摘の精度は高いです。
ら抜き言葉・い抜き言葉、助詞の違和感(「の」の3連続使用)、「たり」の使い方などは、ほぼ完璧に指摘してくれます。
日本語として読みづらい箇所も指摘してくれるので、文章自体の精度向上が期待できます。


無料のユーザー登録をするだけで機能が拡張するので、手間はかかりますが登録して使用することをおススメします。
背景色や文字色など自分好みにUIを変更できたり、ユーザー辞書を作れるので自社独自の表記ルールのチェックができたりします。

Enno(えんの)

Ennoは、タイポミス、スペースのエラー、誤字脱字、変換ミスなどといった「あからさまなエラー」をチェックしてくれます。
有料プランなどはなく、完全無料です。

Enno使ってみた

画面左にチェック箇所、右に入力した本文が表示されます。元の文とチェックされた文が横並びになるので比べやすいです。下段には、指摘箇所の詳細な解説が表示されます。

<校正結果>

Ennoの特徴

PRUV同様、違和感のある文章は高い精度で指摘してくれます。
誤字にも強いようで、例文に仕込んでいた「管する」という誤字を「関する」にする指摘もしていました。
「あからさまなエラー」と謳っているだけあって高い精度だと感じました。


結果の下段に表示される解説箇所が詳細なので判断材料になります。
(例えば、現代仮名遣いに沿った指摘の場合は、現代仮名遣いへのリンクが張られています)
判断に迷ったときや、より深い知識を身に着けたいときに便利です。


常時エラーパターンを追加登録していて、ユーザーがエラー内容を投稿することもできます。
ユーザー自ら精度向上に関与できるのは嬉しいですね。

チョイミテーナ

動画の音声翻訳、文字起こし、テキスト読み上げなどをオンライン上で行うサービス。文章校正も機能として実装されています。
文章校正はユーザー登録不要で無料で使えます。一度に1万文字まで対応。

チョイミテーナ使ってみた

上段に該当箇所をハイライトで指摘して、下段に指摘内容や用語の言い換えの提案などが表示されます。

<校正結果>

チョイミテーナの特徴

ら抜き言葉や一部の誤字脱字を指摘していました。
前出の2つに比べると指摘は若干少なかったですが、チョイミテーナの強味は読み上げ機能。
音声を聞きながらチェックすれば、文章の間違いを拾う確率はグッとアップします。
(音声だと誤字脱字などは一発で気がつきますよね。同音異義語の間違いはノーチャンスですが)
但し、無料の音声読み上げは30文字までです。

so-zou.jp(文章校正ツール)

Yahoo!のAPIを活用して、間違った表現や不適切な表現を指摘してくれます。
一度に1万文字までのチェックが可能で、ユーザー登録不要で使うことができます。

so-zou.jp使ってみた

使い方はとてもシンプル。テキストを貼り付けて、実行するだけです。

<校正結果>

so-zou.jpの特徴

ら抜き言葉や助詞の不足(「を」の不足)、一部の誤字脱字を指摘していました。
文章を読みやすくする指摘が充実していて、使用不適切な表現の「不快語」や、文章が読みづらくなる「冗長表現」などを指摘してくれます。

Shodo(ショドー)

日本語のAI校正と相互レビューをクラウド上で行うことができます。
無料で使えますが、ユーザー登録すると各種機能が拡張するのでおススメです。有料版はさらに機能が増えます。

Shodo使ってみた

指摘箇所の行に赤丸が付き、具体的な部分に赤下線がひかれます。
詳細な説明はカーソルを合わせると表示されます。

<校正結果>

Shodoの特徴

助詞の違和感(「の」の3連続使用)、送り仮名の間違いなどを中心に指摘しています。
ちなみに、例文の中に1ヵ所だけ全角数字(他は半角数字)を仕込んでいましたが、これを指摘したのはShodoだけでした。全角半角も検知するのはありがたいです。


Shodoは、記事やプレスリリースなどの執筆作業向けに開発されているようで、ライター業務の方には便利なツールです。
作業の工程管理や複数人でのテキスト編集、相互レビューなどができます。
無料版と有料版で使える機能が異なるので、使用目的に合わせて選んでください。

その他の無料の文章校正ツール

その他にも無料の文章校正ツールはいくつもあります。以下にその他のツールを紹介します。
自分の使用目的に合わせて、よりよいツールを見つけてください。

■その他の主な無料文章校正ツール

ツール名内容
Tomarigi(校正・推敲支援ツール)青山学院大学「日本語表現法開発プロジェクト」による解析エンジン。
インストールして使用
日本語校正サポート最大1万文字まで対応の無料ツール
オンライン日本語校正補助ツール文字容量100KB(約5万文字)まで対応の無料ツール
プレスリリース校正ツールプレスリリース特化の無料校正ツール。
プレスリリースのひな形(100種)のダウンロードも可能
Konisimple Tools 文書校正ツール文章校正の他に、「品詞分解ツール」「文字数カウント」など各種機能あり

目視の補助として文章校正ツールを利用する

無料の文章校正ツールを紹介しました。

今回検証してみた結果、使用する際の注意として以下のような点が挙げられます。

ツールごとに得意/不得意のジャンルがある

ツールによって検出する項目には得意/不得意のジャンルがあるようです。
正確さを重視するなら、複数のツールを併用してチェックした方がいいかもしれません。
(ただし、同じAPIを解析基準に使っている場合は、結果はあまり変わらないことが多いようです)

同音異義語などの誤変換の判別は難しい

それぞれの文脈を読み取って誤字脱字を判別するのは、まだ難しいようです。文脈に沿っていない同音異義語などがでてきても、その単語自体が存在していれば、指摘の対象にはならないことが多いです。

表記ルールは別の方法を考える

自社独自の表記ルールをチェックしたい場合は、辞書登録機能が必要です。ですが、無料版で辞書登録機能があるツールは稀です。
有料であれば辞書登録可能なものもいくつかあるので有料版を検討するか、目視でのチェックを行った方がいいでしょう。

これらの注意点からも分かるように、文章校正ツールを使うときは、その特性を理解して使い方を決めた方がいいです。

文章校正以外の機能も充実しているツールがあるので、文章作成自体の効率化が目的の場合、なおさらツールの特性を把握した方がいいでしょう。
(自社の独自表記ルールがある場合は、辞書登録機能があった方が効率的ですよね)

ダンクが考えるおススメの使い方は、
「人の目でチェックして、その補助機能として文章校正ツールを使う」
ということ。

自分の目でチェックしたうえで、念のため間違いがないか確認する、くらいの気持ちで使いましょう。
自分でも気がつかなかった点、見落としていた点を指摘してくれると思います。

人の目で誤字脱字をチェックするときのコツを、以下の記事でまとめました。参考にしてみてください。

コツを知れば簡単!誤字脱字をチェックする方法【校正25年のノウハウ】

ダンクは創業から25年以上、校正・校閲業務を請け負ってきました。
「自分で校正するのは不安…」という方は、お気軽にダンクにご相談ください。

”まちがい”で困っている方へ

この記事を書いた人

岡崎聡
岡崎聡株式会社ダンク取締役社長
フリーランスでの編集・カメラマンなどを経て、1994年に株式会社ダンク入社。校正、進行管理、営業対応などに携わる。
2008年10月、株式会社ダンク取締役社長に就任。
2014年からは、宣伝会議の「校正・校閲力養成講座」講師を担当。
販促会議デジタルマガジンに「販促ツールの品質を高める 校正のチェックポイント」などを寄稿

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