チラシ校正のコツを校正会社が解説!間違いと誤解を生まないチラシの作り方

チラシ校正

チラシの価格を間違って大きな損失が・・・

誤解をまねく表現をして、お客さまからクレームが・・・

チラシ制作担当の方なら、こんな経験があるのではないでしょうか。

新聞に折り込まれるスーパーマーケットやホームセンターのチラシは、売り出し期間が数日間と短いのが基本です。中には1日なんてものもあります。

この短期間にミスやクレームが発生しても、もう修正は間に合いません(汗)。

カタログであれば正誤表、WEBであれば即時修正、といった対応もできますが、折込チラシは印刷をする分、対応に時間がかかります。

ですから、チラシのミスやクレーム対策は、校正でどれだけ指摘できるかがカギを握ります。

ダンクでは、1994年の創業以来、新聞折込の流通チラシの校正を請け負ってきました。

本記事は、その経験で培ったチラシ校正のノウハウを、3つのポイントに整理して解説したものです。

間違いがない、そして誤解もない、わかりやすいチラシ作りのコツを紹介しています。

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チラシ校正 3つのポイント

ダンクでは、チラシ校正を以下の3つのポイントに整理しています。

  • 原稿と校正する
    原稿と校正紙の照合はチラシ校正の基本作業。特に価格の間違いは致命的。
  • 原稿以外と照合する
    原稿との校正だけでは不十分。写真やタイトルと照合すると、
    原稿を見ただけではわからない、間違いや誤解をまねく表現に気がつきます。
  • 売り出し期間と営業時間をチェックする
    価格と同じくらい重要な要素。絶対に間違いが許されません。

それぞれのポイントを解説していきます。

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原稿と校正する

原稿は、バイヤー(商品の買付や商品管理の担当者)から出稿され、商品名や価格、サイズなどの商品情報が記載されたものです。

この原稿と校正紙(原稿をもとにデザインした紙面)を照合して、間違いがないか確認するのがチラシ校正の基本です。

このとき、2人で行う「読み合わせ校正」で校正作業を行います。

チラシの情報は頻繁に更新されるので、非常にキケンです。

生鮮品や原材料などは時期によってとれる量が変わるので、頻繁に価格の変更が入ります。台風などの影響で商品供給が滞り、商品掲載のとりやめなんてこともあります。

ですから、校正は万全を期して「読み合わせ校正」なのです。

読み合わせ校正のやり方は以下の記事にまとめたので参考にしてください。
(2人確保するのが難しい場合は、1人で行う突き合わせ校正のやり方も解説しています)

ここからは、原稿と校正するときのポイント、心構えを解説します。

最も重要なのは価格

商品情報はどれも重要ですが、最も重要なのが価格です。価格の間違いは実害を生むからです。

全国展開のセールチラシで10円間違っていたら……店舗数にもよりますが、損失額は莫大なものになりますよね。

価格は電話番号を読むようにチェックする

ラジオショッピングではアナウンサーが電話番号の数字を1つずつハッキリ伝えます。
チラシの価格も同じです。どちらも1つの数字の間違いが大きな損害を生みます。

ですから、価格は一文字ずつ、電話番号を読むように校正します。

1,800円

いち かんま はち ぜろ ぜろ えん

原稿の読み手がこのように読んで校正すると、間違いがあってもすぐに気がつきます。

文字の間違いを見つける方法を、もっと詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。誤字脱字をチェックする方法をまとめています。

価格の赤字はすべて書く

価格の赤字を入れるときは、修正する人が勘違いしないように、直す部分だけではなく、価格すべてを書くようにしましょう。

せっかく間違いに気がついても、誤って修正しては意味がありませんよね。


例えば、264円を204円に修正したいとします。

下のような書き方をすると、修正する人が見間違いをする可能性があります。

チラシ校正 赤入れ

見間違いで260円にしてしまったり、赤字が小さくて見落としてしまったり、といったことが発生します。

ですから、価格はすべてを書きましょう。このとき、「各」も含めて書くのがポイントです。

チラシ校正 赤入れ

こう書けば、見間違いによる修正ミスや修正モレを防ぐことができます。

その他にも赤入れにはコツがあります。以下の記事で解説していますので確認してみてください。

「各」をうまく使いこなす

「各」をうまく使いこなせるかで、チラシのわかりやすさは変わります。

例えば、以下のような「各」の使い方を目にしたことがあると思います。

同じ価格の類似商品をまとめて紹介している例です。

チラシ校正 各の使い方

この価格の「各」は、原稿に「各」と書いてあるわけではありません。

原稿では、以下のように商品名や価格が並んでいるだけのことが多いです。
(ダンクの経験上、この出稿形式の原稿が多いです)

商品名価格(円)
ナス200円
きゅうり200円
ピーマン200円
トマト200円

チラシを制作するデザイナーは、まとめて掲載した方がわかりやすいと判断すると、「各」を使ってデザインします。

では、下のような例ではどうでしょうか?

誤解をまねく恐れがある表現がありますが、どこかピンときますか?

チラシ校正 各の使い方
商品名価格(円)制限コメント
ナス200円おひとり様1点限り
きゅうり200円おひとり様1点限り
ピーマン200円おひとり様1点限り
トマト200円おひとり様1点限り

各商品に「おひとり様1点限り」とあります。

これは各商品を1点ずつ買える(計4点買える)、という意味です。

上の例のように、「おひとり様1点限り」で掲載してしまうと……

4商品の中から一つしか買えないのか、
4商品の中から一つずつ買えるのか、

どっちかしら?

なんてクレームが起きるかもしれません。

誤解を生まないために「各」が必要なのです。

これなら誤解は生まれません。

チラシ校正 各の使い方

上手に「各」を使って、誤解を生まないチラシを作りましょう。

商品をイメージしながら校正する

原稿と校正するときは、商品をイメージしながら校正するのも重要なポイントです。

例えば、以下のような商品が掲載されていたとします。

電気ケトル HP-66R

幅22×奥行27×高さ21mm

3,400円(税抜)

税込3,740円

商品情報に「幅22×奥行27×高さ21mm」とあります。

常識的に考えて単位がmmは小さすぎませんか?

実はこれ、バイヤーの原稿が間違っています。

「幅22×奥行27×高さ21cm」が正解なのでは?と推測できます(ダンクで業務を請け負った場合は、ギモンだしで確認します)。

このような原稿自体の間違いは、チラシ制作ではよく起こります。

バイヤーも人間です。毎週毎週、大量の商品を出稿するのですから、ミスをすることもあります。
原稿を100%信用せず、商品をイメージしながら校正すると、矛盾に気がつくことができます。

「ミスが減らない」「内容をチェックする時間がない」でお困りの企業さまは、ダンクの校正・校閲サービスをご活用ください。
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原稿以外と照合する

チラシ校正では、原稿と校正紙を照合するだけでは不十分です。

写真やコーナータイトルと商品情報を照合することで、そもそもの原稿の間違いやデザインの組み方による矛盾などを指摘することができます。

原稿を見ただけではわからない、間違いや内容の矛盾に気がつくことができるのです。

写真と照合する

例えば、以下の冷蔵庫、ある間違いに気がつきますか?

チラシ校正 写真と照合する

商品名を見ると「3ドア」ですが、写真は「2ドア」になっています。

これは原稿と写真どちらかが間違いです。

原稿の情報を裏どりするという意味で写真との照合を必ず行ってください

照合作業さえ忘れなければ、たいていの矛盾点に気がつきます。

「写真はイメージです」をうまく使う

少し話はズレますが、写真の確認をするときは、「写真はイメージです」のコメントにも気をつけましょう。

特に気にも留めないコメントですが、実は重要なコメントなのです。

ダンクでも、生鮮食品の肉の写真に「写真はイメージです」を入れ忘れて、クレームにつながったことがあります。

写真より脂身が多いじゃない!

わざわざお店に来てみたら写真とまったく違う…

脂身が苦手な人にとっては、クレームをつけたくなる気持ちもわかります。

写真どおりの商品を用意できれば問題ありませんが、野菜や魚、肉などの生鮮食品は、写真と全く同じ商品を用意するのは難しいですよね。

その回避策としての「写真はイメージです」なのです。

写真の確認をするときは、「写真はイメージです」が必要か否かも確認しましょう。

タイトルと照合する

コーナータイトルと商品群を照合するのも重要なチェックポイントです。

チラシでは、よく特集企画を組みます。そこで矛盾が生まれることがあります。

例えば、「よりどり3パック980円」のコーナータイトルがあったとします。

チラシ校正 タイトルと照合する

各商品を見てみると、ジャンボ春巻が「2つで380円」になっています。

するとこういうギモンが湧いてきます。

春巻は、1パックに2つ入り?
それとも3つ買うと980円?(2つだと380円?)

価格から推測すると2つを1パックと扱うのが正解だと思いますが、ちょっと悩みますよね?
しかも、他の商品はすべて「1パック」と明記されているので、頭の中は「???」です。

この場合は「ジャンボ春巻(2個入り) 1パック380円」と表記すれば誤解はなくなります。

その他にも、タイトルと内容に矛盾が生じることはよくあります。

例)『夏の紫外線対策に』というコーナータイトル
→虫除け薬が掲載されている

例)『揚げ物フェア』というコーナータイトル
→握り寿司が掲載されている

タイトルと商品群に矛盾はないか、と常にアンテナを張りながら校正するように心がけましょう。

校正マニュアルダウンロード

売り出し期間と営業時間をチェックする

価格と同じくチラシ校正で間違いが許されないのが「売り出し期間」と「営業時間」です。

期間や時間を間違えると、

「売り出し日初日にお店に行ってみたら、チラシの商品が売ってない…」

なんて最悪の事態が起こります。

ですから、「売り出し期間」と「営業時間」の校正は慎重に行います。

「タイムセール」や「日替わり商品」などにも影響してきます。
忘れないようにチェックしましょう。

チラシ内の時間表記は要注意

特に以下のような「朝〇時から〇時まで販売」などのタイムセールはやっかいです。

チラシ校正 営業時間

お店の開店時間をチェックしておかないと、こんなクレームになる恐れがあります。

8時30分に行っても
まだお店が開いていないじゃないか(怒)

チラシに載っている営業時間を見てみましょう。

チラシ校正 営業時間

8時30分から開店しているのは秋葉原本店だけです。神田店は10時開店になっています。

8時30分に神田店に行ったら……クレームになりますよね。

「8時30分」と記載した意図は、開店と同時に販売するという意味と推測されます。

複数店舗の連名でチラシを作成する場合、こういったミスが起きやすいことに注意しましょう。

まとめ(チェックリストで作業モレを防ぐ)

チラシ校正で重要なポイントを、代表的な例をもちいて解説してきました。

ここまでのポイントをリストでまとめます。

チラシ校正 チェックリスト

原稿と校正する

  • 読み合わせ校正で作業を行う
  • 価格は電話番号を読むようにチェックする
  • 価格の赤字はすべて書く
  • 「各」を正しく使っている

原稿以外と照合する

  • 写真と照合する
  • 「写真はイメージです」を正しく使っている
  • タイトルと照合する

売り出し期間と営業時間をチェックする

  • 売り出し期間をチェックする
  • 営業時間をチェックする
  • タイムセールをチェックする
  • 日替わり商品をチェックする

上記のリストは、本記事の主なポイントをまとめたものです。

このリストに貴社のルールを加えて、オリジナルの作業チェックリストを作成するのをオススメします。

せっかくポイントを理解しても、作業のし忘れがあっては意味がありません。

チェックリストを活用して、間違いも誤解もないチラシ作りに役立ててもらえると嬉しいです。

ダンクでは、新聞折り込みチラシをはじめ、さまざまなチラシ校正を請け負ってきました。
「自分たちではちょっと不安」「人手が足りない」などで困っている方は、校正・校閲サービスをご利用ください。

\「まちがい」を無くしたい方へ/

この記事を書いた人

岡崎聡
岡崎聡株式会社ダンク 取締役相談役
フリーランスでの編集・カメラマンなどを経て、1994年に株式会社ダンク入社。校正、進行管理、営業対応などに携わる。
2008年10月~2023年5月まで株式会社ダンク取締役社長に従事。
2014年からは、宣伝会議の「校正・校閲力養成講座」講師を担当。
販促会議デジタルマガジンに「販促ツールの品質を高める 校正のチェックポイント」などを寄稿

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